みなさん、こんにちは!
ちょっと間が空いてしまいました…
健康診断について話していたらあれもこれも
と何を書いていいか迷走してしまった、
副院長の榎原です←
というわけで三段落ちに失敗しましたが
今日から何回か分けて、
気になる症状があっても
特に健康診断では明らかな問題が無いとき
別の観点(東洋医学的に)はどういう状態なのか。
また、どういうことをできるか。
そんなことをお話したいと思います!
症状に上げるテーマは、老犬によくあること。
それは、健康診断でいくら調べても具体的な病名のつかない、
老化現象や機能低下の類です。
でもこの状態、対処できるとしたら?
File1.足腰の弱りや冷え
西洋医学的には慢性関節炎、変形性関節症が疑われますが
同時に東洋医学的には腎臓の気(エネルギー)の衰え
=腎陽虚
として捉えられます。
どういう状態?
腎臓には、お父さん・お母さんからもらった気の元である
先天の精
と、食事から得られる
後天の精
というものが蓄えられています。
これらは体のエネルギーとなる気や血を生み出すのに
欠かせないものなのですが、
先天の精はどうしても加齢とともに減っていきます。
そのため、腎の気(特に元気)が不足しがちとなります。
腎臓の機能には体を温めることや、骨(足腰)をつかさどる
ものがありますので、
冷えや、足腰の弱りとして現れます。
他には、浮腫や軟調便、尿失禁や尿量の増加、眼力がなくなり元気がない状態
なども腎陽虚の症状として挙げられます。
(西洋医学的な腎臓病の症状にも似ていますね)
どういう子がなるの?
年を取ったというだけでこの変化は大なり小なり現れます。
さらに、
もともともつ先天の精が不足していたり、
飲食物から得られる後天の精が不十分であったり、
他の臓器(胃・脾)の影響により飲食物からの
吸収が不十分であったりする場合にもなりやすくなります。(脾腎陽虚)
対策としては
冬や寒さは腎を痛めるため、体を温めることが効果的です。
腎虚が顕著な場合には、温補腎陽といって、腎気を温め、補うことの
できる食材や漢方薬を用いてあげます。
例)鹿肉や羊肉など体を温める食材、
黒豆、ひじき、黒ごま、栗など
漢方サプリでは源気(イスクラ)、漢方方剤では金匱腎気丸、八味地黄丸など
ドライフードを中心に食べているわんちゃん,ねこちゃんにもトッピングとして
これらの食材を加えることで良い効果を得られることがあります。
(もちろん、与えすぎには注意が必要ですが
人用の漢方製剤を利用できますが、人と違い個体ごとの体重の差が大きいため、
独断での投与はNGです!
今回、老犬でよく認められる腎陽虚についてご紹介してみました!
多分、結構な方が思い当たるかもしれません^^
ただ、腎陽虚が進行すると腎陰虚となりやすく、
逆にほてりが出たり病状が変わることがあります。
東洋医学的な診断は病状が進行すればするほど難しくなりますので
お困りの方はぜひご相談くださいね^^
また別の機会に他の症状(痴呆、食欲不振、咳)についても
東洋医学的に解説してみたいと思いますのでよろしくお願いいたします!