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投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

病院に行くべき症状③下痢

こんにちは!芋沢院の榎原です☀️

 

本日は昨日クロスマッチを行った子たちの

輸血を行い、無事副作用なく終えることができ

一安心しております。

後は次の治療の準備ですね。。

 

今日は病院に行くべき症状シリーズ

第3段、下痢について解説していこうと思います!

 


下痢

下痢については言わずもがな

「うんちがゆるい」という症状ですね。

軟便といったりもしますが

柔らかいうんちの事を軟便というだけですので、

軟便と表現されたウンチであっても状況により

下痢症状と判断されます。

 

動物が病院を受診する最も一般的な

症状であり、一過性のものから重症なものまで

様々な疾患で発生する症状です。

 

良く新人獣医師はまず下痢から診れるようにしろ

とか言われて診察に向かいますね😄

 

下痢の原因

下痢は、消化管がなんらかの要因により

食べ物を消化・吸収できない

あるいは大腸での水分の調節ができない場合などで発生します。

 

消化管を障害する要因としては

・食事(刺激の多い食べ物消化不良

・中毒(直接的な消化管毒性)

異物(物理的な障害)

感染症(大腸菌など)

・腫瘍性(様々なものがある)

・自己免疫性、アレルギー性

・他臓器の炎症の波及(膵炎や腹膜炎、子宮蓄膿症など)

・栄養性(血管の障害や腸捻転など)

・神経原生(大腸や小腸、肛門を支配する神経の障害)

ストレス性

 

があります。(赤字はよくあるもの)

原因は多いため、飼い主様とのお話しの中であたりをつけたり

可能性が高いところから順に探るような検査をしたり

除外を進めていく事で診断に近づきます。

 

とはいえ多くは食事やストレスが原因で起こる一過性のものですね。

そうじゃない場合をしっかり見極めて精査へとすすめるかどうかが

獣医師の腕の見せ所ですね🤔

 

どういう下痢なら病院へ行くべき?

人は通常自分で排泄に行き、

自分で処理することができるため、

よっぽどの下痢や血便などでなければ病院へは行かないでしょう。

しかし犬は便意を催せば所構わずしたりしますので

1日中うんちの処理に犬を追いかけ回す。。

なんてことになるため、

症状が軽度でも早めに病院を受診したがることが多いです。

 

しかし、中には下痢はするけどそんなに負担に感じずに

長い間様子を見てしまう飼い主様もいます。

 

急性な下痢は2〜3日、長くとも5日以内に落ち着くことが多く

3週間以上持続すると慢性下痢と言って、明らかに大きな問題があると

考えられます。

 

病院へ行くべきタイミングは3パターンです

①1日でも耐えられないほどの高頻度、大量な下痢

2〜3日以上持続する下痢

3週間以上持続する便の不調

 

あとはもちろん、本人が辛そう

(食欲なし、元気なし、嘔吐しているなど他の症状もあるなど)

であれば、早期の受診をお願いいたします。

 

 

下痢の判定-糞便スコア-

自分の子のうんちが異常かどうかわからない

という方は糞便スコアを参考にすると良いでしょう。

各種フードメーカーから、理想的な糞便の形

というのが写真付きで紹介されています。

ピュリナから出ている糞便スコア

こう言ったもので、軟便、下痢と言われているところを

行ったり来たりしている場合は

慢性下痢の可能性があります。

一度病院で相談するか、食事の変更を検討したほうが良いでしょう。

ここで注意なのは、軟便になったり、

良便になったりを繰り返しているものでも

3週間以上続いているならば一度受診をお勧めします。

 

便の回数にも注目しよう

また、排便の回数というものも重要です。

健康な動物では1日に1〜3回の排便が良いと言われており

4回以上だと腸炎やアレルギーなどの

トラブルの可能性があると言われています

逆に猫ちゃんでは便秘が多く、1日に1回も出ない子がいます。

これは下痢ではないですが便秘というまた違う症状ですので

そちらの解説をご覧ください。

 

病気の種類によっても排便回数が変化します。

例えば、大腸炎では通常

排便回数が著しく増え、1回量が少なくなります。

最後には一滴しかないのに排便姿勢を何度も取る

なんていうものが典型的な症状です。

 

対して小腸の上部での下痢、膵炎などでは

一回の下痢便は大量で、未消化のものが多く匂います。

回数は変わらないかやや増加する程度です。

 

この辺りは獣医師に質問された際にしっかりと答えられると

診断につながる重要な情報となります💡

 

 

家で様子を見たい場合は

元気があり、ストレスや暴飲暴食など

心当たりがある場合には

自宅での療養を希望されるかもしれません。

 

その際には、食事の量をいったん減らすようにしましょう。

具体的には

①下痢後は1食抜きにする。

②次の食事はスープや消化のいい缶詰のみを与える
⚠️スープを与える場合にはガブのみに注意してください⚠️

③普段の食事を1/4に減らし、ふやかして与える

④普段の食事の1/2量を、ふやかして与える

⑤普段の食事の3/4量を、ふやかして与える

普段の食事量でふやかして与える

⑦ふやかさずに与える。

 

以上のやり方であれば3〜4日かけて通常の食事量に

戻せるため、そこで下痢が落ち着くはずです。

薬局で売っているようなビオフェルミン錠Sは

動物でも有効ですので飲ませても構いません。

 

これらのステップ中、おやつは与えないようにしましょう。

食べ慣れた食事や、消化の良い療法食などを利用すると良いでしょう。

また、途中までは調子がいいけど次のステップに行ったら

下痢に戻った場合は、一つ前に戻りつつ、

病院へ行くようにしましょう。


 

下痢は動物も飼い主様も大変な思いをする症状ですよね。

一刻も早く止めたいと思うのが普通です。

このくらいの症状で病院行ってもいいのかな?

という方がいますが、

いいんです!笑

 

早めのうちに治しましょう☺️

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