2019年03月14日  

フィラリア検査は3月だとマズイ!?

こんにちは!!
院長の西原です。

今回は、
「フィラリアの検査はいつするの?」
です。



3月4月のフィラリア検査は『ちょっと待った!!』

3月に入ると、仙台市にお住いのワンちゃんと暮らす方は、狂犬病予防接種が始まりますね。
その際に、一度の来院でいろいろ済ませるために
【フィラリア検査】
も一緒に行うケースも多いように思います。

しかし、フィラリア検査のメカニズムを踏まえると、実は3月のフィラリア検査ってあんまり意味がないかも!?

フィラリア検査には適正な時期があります

ほとんどの動物病院では、フィラリア検査キットを使って、血液でのフィラリア検査を行っています。

中には、顕微鏡でフィラリアの幼虫『ミクロフィラリア』を見つける検査も行なっているところもありますが、ミクロフィラリア検査は、キットでの血液検査に比べて、検査精度があまり高くないので、今回はフィラリア検査キットのことをフィラリア検査と呼びます。

そのフィラリア検査キットですが、実は、いつでもフィラリアの有無を調べられる訳ではありません。

キットでは、血液中の『フィラリア抗原』を見つける検査なのですが、このフィラリア抗原は、実はフィラリアに感染してすぐに見つかるわけではないのです。

フィラリア検査キットは、各社からいくつかの種類がありますので、フィラリア抗原を検出できる時期は、それぞれで若干異なりますが、ほとんどのキットは、

フィラリアに感染してから5ヶ月〜6ヶ月過ぎた頃

になって、ようやくフィラリア抗原を検出できるようになります。

3月のフィラリア検査は早すぎるかも

宮城県では、平均的には、フィラリアにかかる時期は、

4月〜10月中旬

と言われています。

ただし、今年はすでに場所によっては、蚊を見かけていますし、県内でも地域によっては、11月や12月でも蚊を見かけるところがあります。

それを踏まえると、宮城県内では、現実的に最も遅くフィラリアにかかる時期は、

12月ごろ

と考えた方が良いかもしれません。

もちろん、より寒い地域では、10月上旬にも蚊を見かけなくなるところもあると思います。

しかし、フィラリア症は感染・発症してしまうと、命に関わる非常に厄介な病気ですから、なるべくよりしっかりと予防できる方法を取りたいところです。

したがって、12月まで蚊はいて、そこまでフィラリアに感染するリスクがある、と考えた方が良いと思います。

では、万が一、12月に感染してしまった場合、それをフィラリア検査キットで調べることができるのは、5ヶ月後の

5月ごろ

になります。

そう考えると、あなたが普段、かかりつけの動物病院で検査をしている3月ごろは、

【高確率でフィラリア抗原を検出するにはまだ時期が早い】

かもしれません。

フィラリアから犬猫を守るのは動物病院ではなくあなたです

もちろん、11月や12月に蚊がいるといっても、そんなに数は多くないでしょう。

なので、フィラリアに感染するリスクもあまり高くないため、実際、その時期に感染したケースはほとんど見かけません。

なので、そこの感染リスクの低さを考え、3月や4月でのフィラリア検査をOKとしている病院さんもあると思います。

ただ、当院に転院してくださった方々のお話の中には、元々のかかりつけ病院では、どうもこのフィラリア検査キットの検出時期を知らないのでは?あるいは、きちんと飼い主の方に情報提供できていないのでは?と感じるところもあります。

つまり、飼い主の方の都合を優先してしまい、検査の精度が落ちてしまっていることに気づいていない可能性があります。

「それは困る!!」
と思われるかもしれませんが、フィラリア予防が普及している昨今、動物病院も機械的に検査を行ってしまっている可能性があります。

そのため、あなたが普段、日常的に行っているフィラリア検査を、よりリスクなく実施するには、ご自身で検査時期を判断していただく必要があります。

少しでも、検査精度を高く実施したいのであれば、5月ごろの検査を。

検査精度よりも、狂犬病予防接種を早く実施したいし、何度も通院するのが面倒だ、ということであれば、早い時期での検査を。

フィラリアだけじゃなく、動物の健康を守るのはあなたです

動物病院は、人間の病院と違って、一つの病院で全ての診療科目を診る必要があります。

近年では、専門化も進んでいますが、とはいえ、完全に専門科の診療だけしている動物病院は数えるほどしかありません。

現実的には、当院を含めて、いまだにほとんどの病院では、すべての診療科目を診ています。

それを踏まえると、各動物病院が知識に偏りが出てしまうのも仕方がないのかもしれません(自分で言うな(笑))。

もちろん、そうならないように、動物病院の不断の努力は必要ですが、それも限界があるほど、今の獣医療は進歩していると思います。

また、現在の獣医師法では、動物病院からの広告内容に制限があり、あなたが知りたい動物病院情報と、実際に動物病院が伝えられる情報には大きな隔たりがあります。

その点でも、犬猫の健康の全てを動物病院に委ねるのではなく、あくまで飼い主の方が主体的に、健康を守るための行動ができるよう、私たちと一緒に、日々動物のことを学んでいっていただきたいと願っています。




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