スタッフブログ

2023年10月06日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

猫の皮膚炎〜舐め壊し

こんにちは!森のいぬねこ病院の榎原です☀️

 

猫ちゃんはグルーミングといって

自分の体を満遍なく舐めることで毛艶を保っていますが

時に、その舐めるという行為が止められなくなり

皮膚がただれてしまうことがあります😱

 

本日はそんな猫ちゃんの「舐め壊し」についてお話ししたいと思います


舐めてしまうのはなんで?

そもそも猫はグルーミングをする動物なので

舐めることはなんら異常ではありません。

むしろ、グルーミングをしないことの方が

病気のサインだったりします!

猫のグルーミングには

・毛艶を保ったり

・毛玉ができるのを防止したり

・リラックスしたり

などの意味があります。

 

ですがそのグルーミングが過剰になってしまうと、

毛をむしりとるまでなめてしまったり

脱毛

さらにその下の皮膚を削り取ってしまったりします

舐め壊し

 

どうしてひどくなるの😱

 

原因はいくつか考えられます

①痒い

痒みがあれば当然そこを掻いてしまいます

ひどい痒みなら尚更であり、舐めることが

痛きもちいいのか、舐め続けて傷になってしまいます。

痒みの原因となる疾患には

・細菌感染症

・ノミダニ感染症

・カビ感染(痒みがないことが多い)

・ノミアレルギー

・食べ物アレルギー

・原因不明のアレルギー(アトピー)

・ある種の腫瘍

などが挙げられます。

 

②痛い!

次に、体に不快感がある場合です。

例えば、膀胱炎や関節炎(特に腰)

便秘による腹痛があれば

お腹周りや腰回りを舐めることが増えて

脱毛してしまいます。

人が腰痛くてさするのと同じ理論です。

 

うんちおしっこがちゃんと出ているか

高齢猫で、階段の上り下りやジャンプをしなくなった

など、情報を整理して

もし怪しければ、しっかりと検査をして

鎮痛剤の投与や治療により落ち着くかもしれません。

 

③イライラ

いわゆるストレスです。

猫ちゃんはストレスに非常に敏感のため

痒くて舐めていても痛くて舐めていても

ストレスが悪化要因になり得ます。

 

最近来客が増えた、引越しした、同居猫が増えた

など思い当たることがあれば獣医師に伝えてみてください。

 

どうすれば止められますか?

ここがむずかしいポイントです。

「にゃんとも難しい猫の皮膚病」

そんな名前の特集が皮膚科専門雑誌で組まれていて

とても上手いこと言うなと思った記憶があります🤣

 

原因がハッキリすれば治療をすればいいじゃん!

と思うところなのですが

実を言うと猫ちゃんは投薬や治療そのものがストレスになったり

そもそもできなかったりするんですよね😭

 

なので、

・腫瘍があれば切除や抗癌剤

・感染症なら抗生剤や駆虫薬

・アレルギーがあるならアレルゲンの回避

・膀胱炎や痛みの原因があればその治療や痛み止め

・ストレスなら環境改善とストレスケアサプリ

・とにかく痒みにはステロイド

といった治療法は様々ですが

外用薬は余計気にしてしまうから使いづらかったり

様々な治療で基本的に使う内服薬が飲めなかったりと

すると、原因が分かっても治療ができません。。

 

そこで私が気を付けているのは

①しっかりとした原因の見極め(あてずっぽう治療はしない)

②できるだけ環境改善や食事の変更から攻める

③必要最小限の投薬

④性格や環境に合わせて治療の方針修正、カスタマイズ

 

をするように心がけています。

 

私お得意の漢方薬も、猫ちゃんでは使いづらいことも多いので

注射薬の利用や飲みやすい粉薬の調剤など

あの手この手を用意しております。

 

猫ちゃんの皮膚病はあまり多くはないですが

困った時にちゃんと治療ができるように

投薬や通院の練習を小さい頃からしておいたり

その子の性格や特性を獣医師さんと共有しておくと

治療がやりやすくなると思います!

 


いかがでしたでしょうか。

 

最近は以前に比べ犬猫の飼育頭数が逆転しているという

話もあり、当院でも猫の患者さんは確実に増えてきています。

 

少しでも多くの患者様の助けになるように丁寧な診療を

しておりますので

猫ちゃんもお気軽にご相談ください!

 

また、病院へ行くのが苦手な猫ちゃんのご相談がしやすいように

オンライン診療にも対応しております!

こちらもぜひご利用・お問い合わせくださいねー^^

 

榎原でした☀️

©森のいぬねこ病院