スタッフブログ

2023年10月02日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

睾丸が腫れた犬

こんにちは、森のいぬねこ病院 芋沢院の榎原です☀️

 

本日は病院へ来た症例のご紹介をしていきたいと思います

少しでも似た症状の方のご参考になれば幸いです!

 


本日手術した子は始め

「玉が硬くなって腫れている。

その近くを舐めている。」

という訴えで来院されました。

 

男の子の睾丸ですが、

医学的用語では精巣

ということが多いですので

今後は精巣と書かせていただきます。

 

精巣が腫れている場合、考えられることは

①生理的な左右差

②精巣炎もしくは精巣上体炎

③精巣腫瘍

④精巣捻転

です。

 

①精巣は正常でも左右左があります。

まだ若い子であり、本人も気にしていないけど

大きい気がする?

という感じであれば問題がないものの可能性も

あります🤣

動物なので、正常なのかどうかわからないというのは

よくあることなので、

なんでも不安に感じたらご相談ください!

 

②精巣炎や精巣上体炎

多くは感染によるものです。

精巣で炎症反応が起こり、腫れたり、

硬くなったり、膿んでしまう状態です。

不衛生な状態であったり、自傷行為、外傷、

ブルセラ病などの性行為感染症で起こります。

 

③精巣腫瘍

精巣の腫瘍は代表的なものが3つです

1.精細胞腫

2.セルトリ細胞腫

3.ライディッヒ細胞腫

 

全て転移のしにくいものですが、

1と2の腫瘍でしこりの大きさが2cm以上であれば

摘出後も転移のチェック・抗がん剤の適応などの

検討が必要となります。

 

④精巣捻転

犬では滅多と見ませんが

人ではあるそうですよ!

いたそうです。。

動物が急に元気がなくなったら

「詰まる」「破れる」「捻れる」

を疑え!

と言われたことがあるのですが

精巣捻転は果たして見つけることがあるのでしょうか...🤣

 

 

ちなみに今回の子は

③精巣腫瘍

でしたが、無事に摘出を終え、

しこりのおおきさも1.5cmで

転移も現在のところ認められないため、

経過観察となりました!

カラーをつけているため現在は舐めることも落ち着いていますが

カラーを外して痒みが止まるかが今後の鍵ですね。

 

腫瘍の転移は術後8年後に発見されたケースもあるようなので

長い経過観察が必要そうです🤔

 

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