こんにちは!芋沢院の榎原です☀️
昨日に引き続き狂犬病のお話です。
今日は症状・治療法などについてです!
狂犬病の症状
狂犬病を発症すると、
初めは全身の倦怠感、頭痛、発熱、嘔吐など生じ、
進行すると脳神経症状が発生します。
この神経症状は多岐に渡りますが
特徴的なものとして、筋肉の痙攣や運動失調、幻覚を見るなどが現れます。
運動失調の一つとしてものを飲み込みづらいということが起こるため
水を飲むのを恐れる→恐水症という、別名がついていたりもします。
最終的には昏睡、呼吸麻痺を起こし死亡します。
このような症状が観察され始めた場合、治療法はなく
ほぼ100%死亡すると言われています。
世界では治療に成功したという報告がちらほら見受けられますが、
ほんの1例、2例という報告のため、
確立された治療法で成功したわけではありません。
そのため、治療よりも予防が大切となります。
これらの症状は、人も動物も共通のものとなります。
感染の特徴-咬み傷を見逃すな-
症状が出てはもうおしまいなので、
この病気についてよく知っておくことが重要です。
感染した!と思ったら即行動することが大事となります。
ではどうしたら感染した疑いになるのでしょうか?
それは、動物に噛まれた場合です。
海外では、野犬やコウモリなどの野生動物
が普通に居住区にいるような地域が存在します。
そんなところでもし動物に噛まれたら。。。
考えたくもない恐ろしいお話ですが、
「コウモリなどの小さい怪我なんて大したことない」
と思わないで、
必ずすぐに病院へ行かなければなりません。
この行動が命を助けることになります。
治療法?-発症前ワクチン-
「命を助ける?かかったら100%死ぬんじゃないの?もう諦めよう。。。」
いえ、諦めないでください!
「発症」したら治療法がありませんが
まだ「発症」する前であれば助かることができます。
それが、感染が疑われて(動物に噛まれて)から
症状が出る前に行うワクチン摂取、通称
【暴露後ワクチン接種】です。
これを適切に行うことでほぼ確実に発症を抑えることができるとされています。
詳しいやり方は
出典:国立感染症研究所(NIDD)、感染症情報センター(IDSC)
を参照します。
いくつかの手法があるようですが、日本では
病院を受診し、最初の接種を0日目として、その後
3日目、7日目、14日目、28日目、90日目に合計6回
接種する方法が採用されているようです。
(0日目は狂犬病免疫グロブリンというものも投与)
実際アメリカなどでは狂犬病が普通に存在する国ですので、
年間数千人がこの治療を受けており、
費用面での負担が大きなデメリットとなっているようです。
発症までの期間は噛まれた場所により差がある
注意が必要なのは、この暴露後ワクチン接種の
恩恵をちゃんと受けるためには、
確実に発症前に接種を開始する必要があるということです。
万が一、発症してからでは効果が認められず死んでしまいますからね。
しかし、なぜ噛まれてもすぐに対処すれば発症しないのでしょう?
それは、この病気には潜伏期間(無病期間)が存在するからです。
狂犬病ウイルスは噛まれた場所から、神経をえっほえっほと登って脳にたどり着いて
ようやく病原性を発揮する(発症する)と考えられています。
つまり、噛まれたところから脳までの、神経を移動している間は
発症しないでいられるということです!
この期間に治療を受ければ、治癒することができます。
そしてその期間には数週間から数ヶ月(1年以上)と幅があり、
実は足を噛まれた人は腕を噛まれた人よりも発症が遅かったと
言われています。
神経を登っていく物理的距離が長いからと考えられています。
でもだからと言って、足噛まれたからまだまだ余裕あるじゃん。
とかは、思っても病院の受診を遅らせないでくださいね😅
さて今日は、感染してしまった場合の症状と、
治療の手立てについて
お話をいたしました!
要点だけまとめますと、
狂犬病にかかると1〜数ヶ月で発症して脳がやられて死んでしまうけど、
発症する前にワクチンいっぱい打てば助かるよ!
海外で動物に噛まれたら病院へすぐに行こうね!
です笑
これだけでも覚えていってください⭐️
ではまた次回、今度はようやく犬の予防接種についてのお話です!
ようやく獣医の領域に入れます笑