2018年05月24日  

皮膚病の対症療法はと〜っても大事です

こんにちは!!

院長の西原です。

 

今回は慢性の皮膚病での

対症療法について

です。

 

対症療法は悪者!?

前回のブログでは、

皮膚病の治療の3つのポイント

について書かせていただきました。

 

その中の一つが、

目の前の痒みを止めること

つまり対症療法を行うこと

なのですが、

前回のブログではさらっと書きました。

 

また、世間一般では、

アトピーのような治らない皮膚病

において、対症療法、

つまりステロイドなどの

かゆみ止めの治療は

あまり良いイメージではありません。

 

しかし、実は、

慢性の皮膚炎において

対症療法は、他の治療と

同じくらい大切な治療方法です。

 

皮膚病は全て治るとは限らない

残念ながら、アトピーなど、

治らない皮膚病も多く、

中には季節的に悪化してしまう

ものも存在します。

 

そのような皮膚病では

一時的にせよ本人が

かゆみで苦しんでしまいますので、

無理に痒みを我慢させず、

お薬に頼るようにしましょう。

 

かゆみ止めとしてのステロイド

ワンちゃんの皮膚炎でのかゆみは

やはりステロイドを使うことで、

かなり症状が軽くなり、

ワンちゃんの負担も軽減されます。

(ステロイドを使っちゃダメ

な皮膚病もあります)

 

もちろん、長期使用や

漫然とした使用では

副作用のリスクが高く、

決してステロイド万歳!!

というつもりはありません。

 

ですが、ステロイドのメリットは、

他のかゆみ止めよりも安い

という点にあります。

 

ステロイドと同じくらい

かゆみ止めの効果を持つ薬

は他にもあります。

しかし、価格はかなり高くなります。

 

特に治らない皮膚病の場合、

お薬の投与が長期に及ぶことも

少なくありません。

ですので、長い目で見たときには、

やはり治療費も大きな問題となるため、

そういった視点では、

決してステロイドを

否定できない面もあります。

 

対症療法を続けるコツ

ワンちゃんに辛い思いを

させないためにも

皮膚病での対症療法は

うまく使っていきたいですね。

 

そんな対症療法を続けるコツは

様々な治療、ケアを組み合わせること

です。

 

かゆみ止めだけ使うのではなく、

食事やサプリメント、

あるいはシャンプーなど、

一頭一頭にあったケアを行い、

また、必要に応じて、

かゆみ止め以外の薬も

併用することで、

対症療法をより安全に

続けることができるようになります。

 

また、それら組み合わせる治療によっては、

ステロイドに頼らないレベル

まで、皮膚が安定化することもあります。

 

ですので、

治らない皮膚病とおつきあいするには、

ただただ対症療法を怖がるのではなく、

より安全に利用するための

ケアも一緒に考えてあげることで、

ワンちゃんの辛さも減らし、

なおかつ副作用を過剰に恐れることなく

治療を継続できるようになると思います。

©森のいぬねこ病院