2018年08月26日  

猫の爪の切り方のポイントや嫌がる猫への対策

こんにちは!!

今回は『猫の爪の切り方のポイントや嫌がる猫への対策』についてお伝えします。
本記事は、過去に私が寄稿したものを許可を得て転載しています。
無断での引用、転載は禁止しておりますので、ご了承ください。


お家の中で暮らす猫にとって、爪の管理は非常に大切です。伸びた爪は怪我や病気のリスクになるため、運動量や栄養状態によっても異なります。
そのため、少なくても1ヶ月に1回は爪切りをしてあげたいところです。しかし爪切りを嫌がる猫は多く、ご自宅での爪切りに苦労している方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、猫の爪切りのポイントをご紹介します。

爪切りの前提条件

本来、外で暮らす猫にとって爪は、木や壁を登ったりするために必要なものです。そのような行動で自然と爪が削れますので、爪切りは不要です。逆に外に出る猫は、やたらに爪切りをすると、木や壁を登れず事故の原因になることもあるため注意が必要です。しかし、お家の中で暮らす猫は、爪が伸びすぎてしまい、巻き爪などで肉球を傷つけたり、飼い主の方に怪我をさせてしまうこともあるため、定期的に爪を切ることが望ましいのです。

無理は禁物!猫の様子を見ながら爪切りを始めよう


基本的に猫は押さえつけられたりするのが苦手な動物です。また、足先に触れられるのも得意ではありません。無理に押さえつけてしまうと、余計に反発してしまいますので、どうしても抱っこが苦手な猫であったり、ご機嫌斜めな日であれば、その日は無理に進めない方が良いでしょう。

猫の様子を見て、落ち着いて抱っこができたり、爪を触らせてくれるようであれば、ご紹介する手順を参考に進めてみてください。

爪切りの頻度

特にしっかりとした根拠があるものではないので、経験的な話にはなるのですが、
私個人は、飼い主の方もキリよくできるということで、1ヶ月に1回くらいをおすすめしています。子猫は2週間に一度くらいです。


猫の抱っこの仕方


猫は犬と比べて体が柔らかく、くねくねと動くため、爪切りをするときの抑え方には慣れが必要です。慣れないうちは、1人で抱っこしながらの爪切りは大変です。2人で協力するなどで実施しましょう。また、猫は飽きてくると、じっとできなくなります。手早く実施することも重要です。「体」「顔」「腕」をしっかりと固定しましょう。

爪の出し方


爪は、足をそっと持ち、優しく押して出してあげましょう。コツは、とにかく力を入れすぎないことです。

爪を出すときに強く指先を抑えたり、爪を切るときに強く腕を持ってしまうと、それが猫にとっては不快に感じ、結果として爪切りができなくなることもあります。

爪の切り方


まず、切る爪の目安ですが、爪切りはよく「爪の中で透けている赤いところまで」と言われています。

これは赤い部分が血管なので、そこまで切ると出血してしまうからです。しかし、実は爪の神経は血管よりも少しだけ先にあります。
ですので、赤いところギリギリまで切ってしまうと、神経に触り、痛みが生じることがありますので、爪切りは余裕をもって行いましょう。

1人の場合の爪の切り方と、2人の場合で爪の切り方をご紹介します。


1人の場合:しっかりと体を安定させた上で、爪切りをします。

 

 

 

 

 

 

 


2人の場合:1人が体全体と切りたい爪を安定させ、もう1人が爪を切ります。

また、一度の爪切りでしっかり切ろうとして、深爪にすると、猫が嫌がったり、場合によっては爪切りで痛みを感じることがありますので注意が必要です。
慣れない猫は、爪の先を少し切るくらいから始めましょう。

嫌がる時の対処法


①手(足)に触れて安心させる

猫がリラックスできるよう手(足)に優しく触れ、撫でてあげると良いでしょう。
爪をなかなか切らせてくれない場合も、普段から手(足)を撫でてあげるなどで、慣れてきます。

 

 

 

 


②洗濯ネット

洗濯ネットに猫を入れると、おとなしくなり、爪切りもしやすくなります。

 

 

 

 

 

 


しかし、ネットに入ること自体が猫にとっては大きなストレスです。何度もネットに入れると、そのうちネットを見るだけで逃げ出したり、ネットに入っても引っ掻いたり、噛んできたりするようになることもあるので、注意が必要です。

③動物病院
また、動物病院でも神経質な猫の爪切りは難しく、実施できないこともありますので、自宅での爪切りが難しく、動物病院にお願いしたい場合は、あらかじめ相談するようにしましょう。

爪切りの注意点


よく「爪研ぎをさせたくないので、爪切りしてください」というお願いをされることがありますが、爪切りをしても、爪研ぎはなくなりません。爪研ぎは確かに爪が伸びないようにするためでもありますが、本来は、猫の爪は何層にも重なっているので、その古い層を剥がすために行なっているものです。猫の習性ですので、爪が伸びていても、伸びていなくても、爪研ぎは無くなりません。対策としては、爪研ぎ用の板などを準備して、そこでの爪研ぎに慣れさせる必要があります。

まとめ

猫は犬と違って、トリミングサロンなどで気軽に爪切りができる場所があまり多くありません。また動物病院では猫自身が過度に緊張してしまい、爪切りが大きなストレスになることもありますので、できる限り自宅で切ってあげるようにしましょう。
また、最初はうまくいかなくても、慣らすことで実施できることもありますので、じっくり時間をかけて取り組んでください。

<協力>

かくさん


©森のいぬねこ病院