スタッフブログ

2024年01月29日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

皮膚疾患の食事管理その2

こんにちは!芋沢院の榎原です☀️

今回は前回の続きになります😄

 

皮膚病の時の食事管理についてですね。

今日はどんなことに気をつけて食事管理をしていくかを

解説していきたいと思います。


大事な3つのポイント

皮膚病において、食事を考える上で大事なポイントは3つです

①栄養素

②アレルゲン

③質(添加物やオイルコーティング)

です。

 

それぞれ細かく見ていきましょう!

(今回は②アレルゲンの解説の途中まで!続きは次回→)

 

①栄養素

皮膚は体の中で最も大きい臓器

と言われています。

その分、必要な栄養素もたっぷりです!

 

皮膚に大事な栄養素としては

・タンパク質

・亜鉛

・ビタミン

が特に重要です!

(アミノ酸やコラーゲンはタンパク質に含めて割愛😅)

 

これらが十分に、そして良質に含まれる食事を選ぶことは

「最低限」するようにしてください。

かつて、亜鉛反応性皮膚炎という病気が発見されました。

それは、薬局で売っているような安価なフードを食べていた

わんちゃんが、亜鉛不足により皮膚炎を起こしていたことから

OTCフード皮膚症と呼ばれています。

調べてみたらフードの亜鉛含有量が低かったんですね。

 

現代においてはそのようなフードは減ったと考えられますが

この病気が発覚した後でもそのようなフードは見つかっていたといいます。

注意は引き続きすべきで、あまりにも安価なフードは手を出すべきではない

と言えるでしょう。

 

 

②アレルゲン

 

アレルゲンとは、アレルギーを引き起こす物質のことをいいます。

食事においては、食材のことです

ここが結構重要なので、長めの解説になります😅

難しいことではないのですが、飼い主様に正しく納得・理解していただくのに

結構話が長くなってしまうことが多いです。

 

ポイントを順に説明していきます。

1.アレルゲンは「製品」単位ではなく、「原材料」単位で考える

「アレルギー対応のご飯にしてくださいね。」

とだけ言われると、

「商品のパッケージに「アレルギー対応」と書いてあるものを選べば良いかな🤔」

と思われる方がいますが、

実はその選び方は失敗する可能性があります

 

食事を選ぶ際には、商品の裏に書いてある、成分表示で

どんな食材が使われているのか?

を注目してみるようにしましょう。

 

2.アレルゲンの特定は大変。

裏にある成分表示で、

どれがうちの子に合わないのか?を特定するのは、

実は非常に大変です。

アレルギー検査を行って、反応のある食材は

ダメだとわかるのですが、

検査に含まれない食材もたくさんあります

それらすべてを調べることは、かなり難しいです(できないわけではないですが、、)

 

なので、アレルギー検査をしたとしても、

あくまでメジャーな食材を調べているだけ、

参考程度にして考えましょう。

 

3.現在食べている食事内容のアレルゲンを全て把握する

「アレルゲンを特定できないんだったら、何食べればいいの?😨」

ということになりますが

まずは今食べている食事の内容を確認しましょう。

このステップ3がとても大事ですのでしっかり解説していきます!

原材料で把握です。

 

例えば、

現在食べているフードでは

チキン(肉)、玄米*2、レンズマメ、米糠、ラムミール、セルロース、
エンドウタンパク、チキンミール、エンドウマメ、大麦、ビートパルプ、
サツマイモ*2、アルファルファミール、タンパク加水分解物、鶏脂*1、ブルーベリー、
リンゴ、ニンジンなど。

 

おやつ1では

小麦粉(全粒粉含む)、砂糖、でん粉類、植物油脂、野菜
(キャベツ、さつまいも、にんじん、かぼちゃ、トマト)、ミルクパウダー、

 

おやつその2で

馬鈴薯でん粉、水飴、砂糖、小麦粉、卵、オリゴ糖、液糖、
脱脂粉乳、シャンピニオンエキス、ミネラル類(カルシウム)、膨張剤

 

が使われているとしましょう。

 

この中でアレルゲンになりやすいものは

タンパク質(赤い食材)炭水化物元(黄色い食材)ですので、

「鶏肉・米・レンズ豆・羊肉・えんどう豆・大麦・
さつまいも・かぼちゃ・りんご・乳・小麦・じゃがいも・卵」

がアレルゲンとして考えられます。

野菜類(緑の食材)はアレルギーを引き起こしにくいですが、果物と炭水化物の多い野菜は注意です。

 

ちなみにこの食材は、

シェアそこそこな某メーカーのフード、

あと野菜ビスケットとミルクボーロを

チョイスしてみました。

一般的なわんちゃんが摂取している食材というイメージで作ってみました😁

 

このように、今自宅で使用しているおやつやフードの

パッケージをよくみてみて、どんな食材を食べているのか

把握できるようにしましょう!

これが食事を選ぶ第一歩です👍

 


長くなってまいりましたので、

今回はこのあたりで一回区切ります!

次回はアレルゲンをどうやって回避するか?

から解説していきます!

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