こんにちは!芋沢院の榎原です☀️
12月に入ったと思ったらもう1週間すぎました。。
時間の流れが早すぎます。
また、徐々に冬本番な寒さになってきましたね!
寒がりな私はいつも早々にヒートテックを着込んでいたのですが
今年はまだ使わずに過ごせる日が多いです🤔
ミートテックの方が性能アップしたんでしょうか?
さて、今日は前回の続きで糖尿病のお話、症状編です!
糖尿病
どんな症状が現れるか?
典型的な糖尿病の症状は
水をたくさん飲む・おしっこがたくさん出る・痩せていく
というものです!
原因がなんであれ、動物種がなんであれ、この症状は
共通しています。
これだけでは糖尿病と断定することはできないですが、
覚えておきましょう!
続いて他の症状ですが
人のように足の壊疽、網膜障害・腎障害
はおこりません❌
犬猫でよく見られる症状は
①糖尿病の重症化によってみられる症状
食欲不振、元気消失、衰弱、嘔吐、意識障害など
②原因となった疾患による症状
元気消失、食欲不振、嘔吐、軟便、脱毛、腹部膨満
発情、乳腺の張り、子宮蓄膿症、先端肥大症
皮膚炎など
③白内障による続発疾患による症状
犬では白内障が必ずといっていいほど起こります。
猫では15〜20%で足の神経細胞が障害を受けることによる
歩行障害が起こります。
以上の3つの機序で生じるものとなります。
糖尿病が重症化したら
高血糖が長期に渡り見過ごされ、
インスリンの機能障害が持続すると
恐ろしい二つの緊急的病態に陥ることがあります。
①糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
②高浸透圧高血糖症候群(HHS)
です。
少し難しいですが、大体糖尿病で緊急治療となる場合は
この状態になって来院しますので、
ご説明します。
糖尿病では、インスリンが不足し高血糖となると
おしっこからの水分排泄が増加します。
糖尿病共通の症状でも、多飲多尿と言っていますね。
その状態が続くと、体から水分が抜けすぎてしまい、
脱水状態となります。
また、インスリンが不足するとなぜ高血糖に
なるかというと、
体の細胞が血糖(グルコース)を使わなくなるから
なんですね。
でも細胞はエネルギーをもらわないと活動できません。
困った細胞は、血糖の代わりに、
筋肉とか、脂肪を燃やしてエネルギーに変えます。
これらの物質を使うと、血糖を使うよりも
たくさんの老廃物が出るんですね。
その老廃物はケトン体と呼ばれ、酸性の物質になります。
それが異常に増えてしまうと、
血液が酸性になってしまいます。
この状態をアシドーシスと言います。
さらにいうとアシドーシスとなった原因がケトン体なので、
ケトアシドーシス
というわけですね。
このアシドーシスと脱水が重度になったものが
①糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
アシドーシスより脱水がより重度になっている状態が
②高浸透圧高血糖症候群(HHS)
です!
こうなると患者は重度の元気消失・食欲不振
時に排尿停止、虚脱、意識障害などを示すようになり
治療を施さなければ数日で死に至ります😱
治療には入院が必須ですが、適切に管理できれば
救える病気ですので、しっかりと病院で見極めて
治療したいものですね!
まとめ
・糖尿病の共通した主症状は多飲多尿と体重減少
・犬では白内障がよく起こる
・猫では歩き方がおかしくなることがある
・糖尿病性ケトアシドーシス・高浸透圧高血糖症候群になると
治療しなければ数日以内に死亡してしまう。
今回は糖尿病の症状についてお話しました!
私は学生のころに糖尿病について勉強したときには
人の糖尿病について全然知らなかったので
むしろ足の壊疽が起こるなんて知らずにびっくりしました。。
そのイメージを知っている方が
この子は糖尿病ですって言われたらびっくりしますよね😢
でも逆に人では犬猫のように重症化して
死んでしまうようなイメージは少ない
疾患ですよね😲
今回のお話で、人のイメージとは結構違う
ということがわかっていただけたかと思います!
次回は治療編に入りたいと思います!