こんにちは、森のいぬねこ病院 芋沢院の榎原です☀️
本日は病院へ来た症例のご紹介をしていきたいと思います
少しでも似た症状の方のご参考になれば幸いです!
本日手術した子は始め
「玉が硬くなって腫れている。
その近くを舐めている。」
という訴えで来院されました。
男の子の睾丸ですが、
医学的用語では精巣
ということが多いですので
今後は精巣と書かせていただきます。
精巣が腫れている場合、考えられることは
①生理的な左右差
②精巣炎もしくは精巣上体炎
③精巣腫瘍
④精巣捻転
です。
①精巣は正常でも左右左があります。
まだ若い子であり、本人も気にしていないけど
大きい気がする?
という感じであれば問題がないものの可能性も
あります🤣
動物なので、正常なのかどうかわからないというのは
よくあることなので、
なんでも不安に感じたらご相談ください!
②精巣炎や精巣上体炎
多くは感染によるものです。
精巣で炎症反応が起こり、腫れたり、
硬くなったり、膿んでしまう状態です。
不衛生な状態であったり、自傷行為、外傷、
ブルセラ病などの性行為感染症で起こります。
③精巣腫瘍
精巣の腫瘍は代表的なものが3つです
1.精細胞腫
2.セルトリ細胞腫
3.ライディッヒ細胞腫
全て転移のしにくいものですが、
1と2の腫瘍でしこりの大きさが2cm以上であれば
摘出後も転移のチェック・抗がん剤の適応などの
検討が必要となります。
④精巣捻転
犬では滅多と見ませんが
人ではあるそうですよ!
いたそうです。。
動物が急に元気がなくなったら
「詰まる」「破れる」「捻れる」
を疑え!
と言われたことがあるのですが
精巣捻転は果たして見つけることがあるのでしょうか...🤣
ちなみに今回の子は
③精巣腫瘍
でしたが、無事に摘出を終え、
しこりのおおきさも1.5cmで
転移も現在のところ認められないため、
経過観察となりました!
カラーをつけているため現在は舐めることも落ち着いていますが
カラーを外して痒みが止まるかが今後の鍵ですね。
腫瘍の転移は術後8年後に発見されたケースもあるようなので
長い経過観察が必要そうです🤔