こんにちは!芋沢院の榎原です☀️
今日は午前中だけで猫さんが
喧嘩で怪我をしました><
という方が2件続きました😲
繁殖期でもないはずなのに
最近もまだ暖かいから
外にいる猫さんは元気なのかな?
猫同士の喧嘩傷
珍しい話ではないのですが
やはり普段家にいる猫さんが
喧嘩により傷を負うと
感染症にかかる心配があったり
痛みにより元気がなくなってしまったり
飼い主様の心労が多くなるものです(´・ω・)
今回も痛そうな傷があり、元気がないという
ことで見たらこんな赤い瘡蓋が。
見辛いですが、中心に瘡蓋があり、
その周囲はポヨポヨと腫れています。
瘡蓋を剥がしてみようとしましたがまだ剥がれそうにないので
針を刺して中のポヨポヨの部分を吸ってみたら
赤白い膿みがどばどばと出てきました😭
この子はおそらく太ももを噛まれたのだと思います。
噛み傷の場合、口の中の細菌が
傷の深部で増えてしまうため、
このような蓄膿症を起こしやすいです。
傷口を洗浄し、消炎鎮痛剤と抗生物質を処方して
経過観察となりますが
ここで注意があります⚠️
まず、消炎鎮痛剤の副作用として腎臓障害があること。
高齢の猫ちゃんの場合、
隠れ腎不全に気づかずに内服を始めると
腎臓病の悪化を引き起こすなど痛い目を見る可能性が
ありますので
必ず血液検査をしてから内服しても良いか
検討することをお勧めします。
次に、傷口の細菌が耐性菌ではないか
注意が必要ということです。
昨今、抗生物質の使い方が見直されてきましたが
今回のようなケースでは明らかな感染を伴っていますので
抗生剤の治療が必要となります><
しかし、闇雲に効かない抗生剤を投与し続けることがないよう、
細菌培養・薬剤感受性検査を
適切なタイミング(理想は初回投与前)
で行うことです。
この検査は傷口で発生している菌がどんな細菌で、
どんな抗生物質が有効かを調べる検査です。
効果のない抗生物質を無闇に投与し続ける
ということがないよう、
しっかりと確認をしたいですね。
適切に傷口の管理洗浄を行い、
食欲があり栄養状態が良く、
抗生物質が効果を示せば
傷は7〜21日で治癒に向かいます。
なかなか治りが悪い場合には
外科的な処置も考慮しなければならないため、
最初の治療に対する反応性を
しっかり確認することが大事です!
もし最初の3〜5日以内に傷が広がったり
食欲元気の低下があるようなら
より積極的な治療に切り替えることになります。
最後になりますが
怪我の最良の治療は
怪我をする前に防ぐことです!
家猫なら外に出さないこと
外に出すならそばで注意深くみてあげること
同居の猫同士の喧嘩なら部屋を分けてあげるなど
できる限りの対策をしてあげましょう!