スタッフブログ

2023年10月19日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

猫の喧嘩傷

こんにちは!芋沢院の榎原です☀️

 

今日は午前中だけで猫さんが

喧嘩で怪我をしました><

という方が2件続きました😲

繁殖期でもないはずなのに

最近もまだ暖かいから

外にいる猫さんは元気なのかな?

 

猫同士の喧嘩傷

珍しい話ではないのですが

やはり普段家にいる猫さんが

喧嘩により傷を負うと

感染症にかかる心配があったり

痛みにより元気がなくなってしまったり

飼い主様の心労が多くなるものです(´・ω・)

 

今回も痛そうな傷があり、元気がないという

ことで見たらこんな赤い瘡蓋が。

見辛いですが、中心に瘡蓋があり、

その周囲はポヨポヨと腫れています。

 

瘡蓋を剥がしてみようとしましたがまだ剥がれそうにないので

針を刺して中のポヨポヨの部分を吸ってみたら

赤白い膿みがどばどばと出てきました😭

 

この子はおそらく太ももを噛まれたのだと思います。

 

噛み傷の場合、口の中の細菌が

傷の深部で増えてしまうため、

このような蓄膿症を起こしやすいです。

 

傷口を洗浄し、消炎鎮痛剤と抗生物質を処方して

経過観察となりますが

ここで注意があります⚠️

 

まず、消炎鎮痛剤の副作用として腎臓障害があること。

高齢の猫ちゃんの場合、

隠れ腎不全に気づかずに内服を始めると

腎臓病の悪化を引き起こすなど痛い目を見る可能性が

ありますので

必ず血液検査をしてから内服しても良いか

検討することをお勧めします。

 

次に、傷口の細菌が耐性菌ではないか

注意が必要ということです。

昨今、抗生物質の使い方が見直されてきましたが

今回のようなケースでは明らかな感染を伴っていますので

抗生剤の治療が必要となります><

しかし、闇雲に効かない抗生剤を投与し続けることがないよう、

細菌培養・薬剤感受性検査

適切なタイミング(理想は初回投与前)

で行うことです。

この検査は傷口で発生している菌がどんな細菌で、

どんな抗生物質が有効かを調べる検査です。

効果のない抗生物質を無闇に投与し続ける

ということがないよう、

しっかりと確認をしたいですね。

 

適切に傷口の管理洗浄を行い、

食欲があり栄養状態が良く、

抗生物質が効果を示せば

傷は7〜21日で治癒に向かいます。

 

なかなか治りが悪い場合には

外科的な処置も考慮しなければならないため、

最初の治療に対する反応性を

しっかり確認することが大事です!

もし最初の3〜5日以内に傷が広がったり

食欲元気の低下があるようなら

より積極的な治療に切り替えることになります

 

 

最後になりますが

怪我の最良の治療は

怪我をする前に防ぐことです!

家猫なら外に出さないこと

外に出すならそばで注意深くみてあげること

同居の猫同士の喧嘩なら部屋を分けてあげるなど

できる限りの対策をしてあげましょう!

 

 

 

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