スタッフブログ

2024年01月04日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

犬のぶどう中毒

こんにちは!そして明けましておめでとうございます

芋沢院の榎原です☀️

 

今年もよろしくお願いいたします^^

 

今回はちょっとあまり知られていない?

中毒のご紹介です。


犬のぶどう🍇中毒

 

皆さんは、犬ではぶどうは中毒を引き起こす

恐ろしい果物だということはご存知ですか?

 

意外と知られていないのか、

たまねぎやチョコレートは有名ですが

ぶどうは毒だと認識されずに、与えている方がけっこういる

果物です。

 

「えっ?恐ろしい果物なのに、あげている人がいるの??」

と思いませんか?

 

そうなんです。

ぶどうの恐ろしいところは、

「あげてもなんの問題もない」こともあれば

「1粒あげたら死ぬほどの中毒になる」ことも

あるところなんです。。。

 

しかもこのぶどう中毒

実は結構最近発表されたもので、

アメリカで2004年に初めて注意喚起されました。

 

そのため、あまり浸透していないんですね。

また、それくらい最近報告されたということで

中毒の正確な原因物質や、中毒量、詳細な症状など

いまだ不明なことだらけです!!

 

一説では生ぶどうの致死量は体重1kg当たり18gほど

レーズンはより中毒が起こりやすく、体重1kgあたり2.8gほどで

中毒症状を起こす。

と言われています。

これらは1度の大量摂取の場合であり、

少量を連日食べた場合の中毒量は不明です。

 

また、品種によりその毒性は異なることも知られていて、

キャンベルアーリー種は危険と言われています。

経験上は、赤いぶどう、巨峰のような品種は毒性が高く

シャインマスカットは毒性が低い?傾向にあると思います。

 

なぜなら、

1年以上もシャインマスカットを与えられていたのに

なんの症状もない子にあったことがあるからです^^;

 

どんな症状なの?

一般的には、嘔吐や下痢などの消化器症状が見られ

最も恐ろしい中毒症状は急性腎不全である

と言われています。

重度の腎臓障害の結果、無尿や乏尿といった

排尿が少ない状態になると予後が悪く、

死亡率は全体の50〜75%と言われています。。

 

また、獣医の間でもあまり知られていない点として、

中毒症状は腎臓よりむしろ神経症状を出す

と2021年の論文で発表されています。

獣医さんも、ぶどうは腎臓障害だけ!

と思っていたら。。なんてことも

 

治療や対策は?

他の多くの中毒の治療のように、

中毒物質を摂取して間もなければ

吐かせたり、胃の洗浄を行い、吸収をさせない

という手段がとられますが

中毒症が出てから発見されたケースでは

残念ながら特別な治療法はなく、

点滴などの対症療法を行うこととなります。

 

もっとも大事な対策は、

飼い主様がしっかりと

ぶどうは犬にとって危険である

と認識し、食べさせないことしかありません。

 


このような情報発信で、ぶどうにかかわらず

中毒で苦しむ方が1人でも減らせることを願います!

©森のいぬねこ病院