スタッフブログ

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

漢方薬と西洋薬の違いとは?

こんにちは!芋沢院の榎原です☀️

 

私が漢方を学び始めてからはや5年。

 

漢方を治療に取り入れてよかったと思うことは

多々ありますが、

普通の現代医療で考えたら絶対に辿り着けなかったであろう

考え方・理論が頭に浮かぶという感覚は

実際にやってみないとわからないことです😅

 

時には西洋医学でやり尽くした。と思ったのに、

漢方医療に変更してから期待以上の改善が見られることがあります。

 

こういった嬉しい驚きは生活習慣病に関連した皮膚病や

肝臓疾患、精神疾患(ストレス)でよくみられます🤔

 

自分でも疑問に思ってきましたが、

なぜ漢方や鍼治療が、効果を示すのでしょうか?

 

現在の私なりの見解・理論をお話ししたいと思います。

 

漢方=魔法の薬ではない💊

まずはっきりと申し上げておきたいのは、

漢方や鍼治療は、決して魔法のような治療ではありません

そこにはちゃんと理論があり、治る道理があると考えています。

なので、残念ながら、癌や難治性疾患、重度の外傷など

治る道理がないものを治すことはできません😥
(いつかは治す方法を見つけたいものです)

 

西洋医薬と、漢方薬の違い

どちらも病気や不調を治すために開発され、

利用され続けていますが

両者の明確な違いの一つは

抽出・生成した有効成分のみであるか

生薬の組み合わせであるか

ということです。

この違いから、様々な特徴が生まれていきます。

 

当然、一長一短ありますのでどちらが良く・悪い

というわけではありません。

要は使いどころです。

上の表は、両者の違いを挙げてみたものです。

 

西洋薬・漢方薬の使いどころ

もう少し各薬の狙いや効果に注目してみましょう。

 

漢方と西洋医薬の効果の出方の違い

 

両者には、効果の違いがあります。上の図のように、

西洋医学は狙った作用を的確に出す反面、

強力すぎると副作用が生じます。

(整腸作用のマイナスのように)

 

漢方薬では、一つの作用は弱くとも、

様々な弱い作用の生薬の組み合わせにより、特定の効果を高めたり

副作用を打ち消したりして総合的に良い効果を狙います。

そのため、副作用が弱い(出ない)と考えられます。

 

このちがいを、実際に使う時にはどう使い分ければ良いでしょうか?

好みもあると思いますが、

今回はこんなイメージで説明します!

 

動物ではわかりづらいので

一本の木をイメージしてください。

この木はとても健康そうに見えます。

 

しかし、一部の枝葉に異常が認められたらどうでしょうか?

この異常だけを治したいと考えます。

茶色くなった枝を切っちゃうか、

その原因がわかれば治す薬を塗ったりします。

少し極端な例えですが、この考え方が西洋医薬です。

 

では一つ一つの異常は大したことないけれど、

いくつかの異常が同時にみられている場合はどうでしょう?

一部の異常に一つ一つ対処していったら、いくつもの薬や処置が必要になりそうです。

小さな異常では、過剰な薬による副作用も心配になりますね。

 

こういう場合では、特定の場所ではなく、全体に同時にアプローチしたいですね。

また、木が生えている土壌や、気候・環境などにも着目して

改善することも考えます。

この考え方に適している薬が、漢方薬・東洋医学です。

 

 

では漢方薬はなぜ効果を示すのか?

という最初の問いに対する回答ですが

私はこう答えます。

①明確なメカニズムは、現在でも不明です。(研究がむずかしいため)

②しかし、経験いくつかの研究によって分かっている

生薬の作用を組み合わせて、相乗的な効果を発揮しています。

③異常のある部分だけでなく、全体をみてアプローチすることが適切な状態では、

より高い効果が期待できます。(2番目の木のように)

 

最後に

私は別に東洋医学が絶対に優れていて

西洋医薬が悪だとは全く思っていません。

2つ目の木の例でも、西洋医薬のみを使って治すことも可能ですし、

環境や土壌もきちんと見て、総合的に治す方法を見つけてくださる

西洋医学中心の先生もいらっしゃいます。

逆に1つ目の木の例では、漢方薬で治すにはちと力不足かもしれません😅

 

私は、両者には違いがちゃんとあるので、

どちらのメリット・デメリットも理解して

使い分けたい。そしてその考えを

広めていきたいと考えています😂

 

 

©森のいぬねこ病院