スタッフブログ

2023年09月17日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

歯が折れた!

こんにちは!森のいぬねこ病院 芋沢院の榎原です☀️

 

今日はカフェとドッグラン貸切で

シェラスコ

を開催しています!

美味しい匂いに誘われてお昼休みにお肉をパクパク。

美味でした!⭐️

(BCS4.5/5の男)

 

そんなdgowoodカフェで昨日お会いした飼い主さんと

お話ししていて、歯が折れることがあるんだよ!

って話をしていたので記事にしようと思います^^


歯が折れることがある

わんちゃんの歯ってとても強そうに見えますよね

動物なんだもん、人間より強いでしょう。

 

そんなことありません!(あるのか…?)

 

人でも犬でも、歯の表面は

エナメル質

という固い物質になっております。

このエナメル質は、骨よりも固いので

体にある物質の中で最も固いものです。

(クレバリホームHPより抜粋)

 

エナメル質は硬さの指標であるモース硬度で7もあるらしいです!

鉄よりかたいとか、信じられません🤣

骨は5くらいだとか…

 

そんな体内最強の歯ですが、

かなわない物があるんですね。

そう。

パワーーーーー!!

です笑

顎の力、噛む力はめっちゃ強いので、

そんな力で歯よりも固いものを噛んだらそりゃ割れます。

 

また、歯より硬くないものだとしても

なかなか噛みちぎれないものであれば

歯の反対側には同じくらい固い歯があるわけですから

噛みちぎろうとして強く噛みしめすぎると…

割れます。

 

さらにさらに

そんなに硬くないものでも

ずーっと噛んでいたり

ゴリゴリこすれるものであれば

割れないまでも少しずつ削れていき

最後には…

割れます。

 

しつこいですね笑

 

というわけで、与えるものには注意しないといけません。

よく破折の原因になるもの

として、

①ひづめ

②アキレス腱

③鹿の角

④デンタルガム

⑤おもちゃ

⑥ヒマラヤチーズ

が挙げられます。

このことについては西原院長のInstagramでも

紹介させていただいています!

(森のいぬねこ病院本院instagramより抜粋)

(森のいぬねこ病院本院instagramより抜粋)

 

もし歯が折れたら

もし歯が折れてしまったら、

どのようなことが起こるのでしょう?

 

歯の折れ方にもよりますが、

歯には神経や血管が通っている

歯髄

と呼ばれる空間が存在します。

そこが露出してしまうことを

露髄

と言います。

 

露髄していると血管から細菌が侵入し

歯の根っこを侵します。その結果、

根尖周囲膿瘍

という、歯の根っこの周りの膿みだまり

をつくってしまいます!

 

 

また、当然ながら大きく折れてしまうと

歯茎を障害し痛みを出したり

歯周病の進行に悪影響を及ぼすことが考えられます。

 

どうすればいいの?

折れてしまった歯の治療法は大きく分けて3パターンです。

①被せ物(歯髄覆罩術しずいふくとうじゅつ)

②神経をぬいて消毒(抜髄根幹療法)

③歯を抜いてしまう(抜歯)

です。

 

被せ物をした場合には見た目には復活し

歯も抜かずに済みますが、

一度露髄した歯髄に細菌感染があった場合には

じわじわと感染が悪化してしまうため、

3ヶ月毎のレントゲン検査により

病変の進行や歯の壊死が起こっていないか

チェックをする必要があります。

 

すでに根っこの病変があったり、感染が強く疑われる場合には

より積極的な治療として神経を抜き、消毒することとなりますが、

この場合でも進行に注意し、3ヶ月毎の経過観察が推奨されます。

 

上記二つの治療が適応できない

あるいは技術面・施設面で実施できなければ、

多くの場合で経過観察か、抜歯適応となります><

 

歯を残す治療法は獣医領域では専門的なためできる施設が限られます

人でいえば、保険適応外の自由診療にあたる治療のため、

高額であったり、より積極的な治療への意思が必要です。。

結局、どの治療も不安・デメリットがあると感じられますね><

 

まとめ

治療法はあくまでもダメージをこれ以上広げないこと

しかできず、完全な修復とはなりません、

そのため普段の生活から歯が折れることのないように

おもちゃの種類や、遊ばせ方に注意してあげることが

なによりも大事なこととなります!

 

でももし、

歯が折れてしまった。

歯を見てもよくわからないのだけど、固いものを噛むのが大好きだから心配。。

 

という方は病院で獣医師にどうしたらいいか相談してみてください!

気付いてから治療まで早いほうが

治癒率が高いという報告がありますので、

気付いたらすぐに病院へGOです!

 


今日はいつもの歯周病のお話とはちょっと違う歯科の

お話しをお届けしました^^

 

少しでも参考になれば幸いです!

©森のいぬねこ病院