スタッフブログ

2023年10月22日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

子犬時期の予防についてーその2(予防薬)

こんにちは!芋沢院の榎原です☀️

 

前回の続きとなります!

熱が入ってボリューミーになっています🤣

 

では早速まいりましょう!

今日はワクチン以外の予防すべき病気について

寄生虫関係の予防についてのお話になります。


③フィラリア

こちらもご存知の方が多いと思いますが

フィラリア症(犬糸状虫症)の予防です。

フィラリアとは犬の血管中に寄生する

寄生虫です。

が感染動物(野生動物や飼い犬)から吸血し

その蚊がまた別の犬を吸血することで感染が成立します。

 

そのため、蚊の活動する季節にこの寄生虫を駆除する

お薬を月に1回ずつ飲ませ続けることで

寄生虫の成長を阻止することで

病気を予防する必要があります。

 

従来は大体5月から11月(7ヶ月間)

を予防シーズンとし、

休薬期間に感染した寄生虫が

体内で成虫になっていないか

シーズン開始前に検査してから

また予防を始める

という方法が主流でした。

 

当院では、

昨今の温暖化、都市開発の影響による蚊の活動時期の延長

それに伴う投薬推奨時期の延長(おおよそ4月から12月

を受けて、

3ヶ月の休薬期間では検査の意味合いが低いこと

また動物の採血ストレスや費用負担の観点から

通年予防(12ヶ月連続で月一回の投与)

を推奨しております!

ちなみに、

12ヶ月ずっと飲ませていて

副作用は心配ないの?

というお声を頂戴いたしますが、

お薬は投与後3日ほどで代謝されてしまいますので、

初めての投薬で副作用がなければ、

毎月27日以上のインターバルがありますので

毎月投薬しても蓄積による毒性は

心配ありません!

(まとめ買い価格ということで通常価格よりも
お得にご利用できるというメリットも😍)

④外部寄生虫

フィラリアと同じように、

ご自宅で投薬することで予防する病気が

もう1つあります。

それが、ノミとダニなどの皮膚に食いつく

害虫類で、外部寄生虫と言われるやつらの予防です。

当院では

3ヶ月に一回、食べさせる

もしくは

首に垂らすスポットオンタイプ

のお薬をご用意しております!

 

こちらも通年予防をお勧めしています!

理由としては、

・ノミは気温さえ高ければ年中活動する

(ダニも、活動しないシーズンは真冬くらい)

・当院の年間パックを利用すると9ヶ月分より1年分の方が安い

ということからですね😁

メーカーからも、温暖化の影響で寄生虫の活動期間が

伸びているため、通年予防を推奨するという

通達が来ておりました🤔

 

予防できる寄生虫を簡単にご紹介します💡

・ノミ

イヌノミネコノミがいますが

ネコノミは犬にもつきます。

(学生時代に猫のみじゃないんかい!と思った記憶🤣)

こいつらは気温13℃以上で活動し、春先と秋の2回

発生のピークを迎えます。

13℃以上で活動する

ということは、一度屋内に入れば年中活動します😱

寄生されることによる痒みのほか

他の寄生虫や感染症の伝播に関わっていたり

家中の布類に卵を生みつけ大量発生したり😨と

個人的に最悪の部類に入る寄生虫です。

(以前、家で繁殖したノミの駆除でノイローゼになり
引っ越した方がいました。。)

 

・ダニ(マダニ類)

ダニには意外といろんな種類がいますので

あえてマダニ類と書かせていただきました。

これは、よく皮膚にくっついて吸血し

イボのように大きくなる

あいつです。

(昔捕まえた写真が見つからなかったのでフリー素材)

こやつらは、見た目の気持ち悪さもそうなのですが

何よりも恐ろしいのは

動物だけでなく

人にも寄生すること。

そしてその際に

人に致死的なウイルスを媒介するということです。

ペットから感染した死亡事例(国立感染症研究所序HPより)

 

そしてもちろん、マダニ類は

動物にとっても致死的な感染症を媒介します。

・バベシア症

・ライム病

・ヘパトゾーン症

などです。

これらはあまり見る機会のなくなった病気ですが

全く発生がないわけではありません。

数年に一度は私も発見しています。

非常に怖い病気ばかりですので、

予防は非常に大切です!

 

・ミミダニ(ミミヒゼンダニ)

こちらは何度かinstagramでも紹介いたしましたね。

耳の中に寄生することで

強い痒み・外耳炎

を引き起こす

あいつらです。

(顕微鏡でみた写真。ちなみウサギかフェレットのやつ)

 

他にも

疥癬虫、シラミ、ハジラミ、ニキビダニ

といった寄生虫にも効果がある製剤を

当院では扱っています!

 

ちなみに

フィラリア、ノミダニが同時に予防できる製剤も

有名ですが

当院では扱っておりません🙅‍♂️

出た当初、これから説明する内部寄生虫に

効果を示さないものがあったため、

当院では最大の効果範囲を得るために

選んだ製剤の組み合わせを使用しています。

 

⑤内部寄生虫

Helminthes in stool, analyze by microscope

というわけで最後に

内臓に感染する寄生虫類の予防

についてお話しします。

これらは主に消化管に寄生する

寄生虫を指しますが、

中には腸管を突き破って

全身へ移動して寄生する奴もいます😱

代表的なものを少しだけご紹介します!↓

・犬回虫

・瓜実条虫

・エキノコックス

 

 

エキノコックスは

北海道の狐から感染することで有名ですね!

これも内部寄生虫です。

とても恐ろしい人獣共通感染症ですね。

実は今紹介した回虫、瓜実状虫も

人が感染する可能性があります😱

これらは糞便虫へ排出された卵(虫卵)

を摂取することで感染が成立しますので

お散歩コースに感染動物のう💩ち

が落ちていて、拾い食いする子は

感染してしまいます⚠️

 

でも安心してください!

これらの寄生虫は

当院で出しているフィラリア予防薬で

一緒に駆除できてますよ☺️

 

まとめ2

・おうちで予防する病気は3つ

フィラリア」「外部寄生虫(ノミダニ)」「内部寄生虫

・投薬は2種類

1ヶ月に1回(フィラリア+内部寄生虫)と、3ヶ月に1回(外部寄生虫)

*当院の組み合わせであればのお話しです

 


いかがでしたでしょうか?

今回は主に寄生虫の予防薬についてお話をいたしました。

気持ちの悪い写真ばかりですみませんでした😓

 

次回はちょっと別の観点からの「予防」

去勢・避妊手術

についてお話ししていきたいと思います!

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