こんにちは!芋沢院の榎原です☀️
今日の朝は雪が降ってて焦りましたが
積もることはなさそうですね!
めっきり寒くなったので
体力の弱った子は
室内外での寒暖差にご注意ください⚠️
逆にアトピー性皮膚炎の子は
アレルゲンが減ってくるので
過ごしやすくなる子も増えそうです^^
さて今日は、あんまりよく見る疾患ではないですが
副腎の疾患パート3ということで
原発性アルドステロン症
という病気をご紹介します。
原発性アルドステロン症
原発性アルドステロン症というのは
犬ではほとんど認められず
猫で時々報告がある
稀な疾患です。
どんな病気?
犬ではメジャーな疾患に
副腎からのステロイドホルモンの分泌
が過剰になる
クッシング症候群
というものがありましたが、
それに類似した疾患です。
原発性アルドステロン症では、
副腎から出されるホルモンのうち、
鉱質コルチコイドの、アルドステロン
のみが過剰に分泌されます。
症状は?
アルドステロンというのは
体内のミネラルバランスを調節して
血圧を維持するホルモンです。
このアルドステロンが過剰に分泌されることによって、
体内にはナトリウム(Na)というミネラルが
過剰に蓄積し、カリウム(K)というミネラルが
必要以上に排泄されます。
その結果として、
・高血圧
・心臓機能低下、失神
・失明
が起こります。
そのほかには特徴的な症状を出さず、
見過ごされるケースが多いようです🤔
診断法
高血圧・低カリウム血症、副腎の腫大
などが認められれば、
血中のアルドステロンの濃度を測定します。
しかし、稀な疾患ですので、
他の腎不全など同様の血液検査結果・高血圧を
起こす疾患を見逃さず、しっかり判断することが
大事です!
治療法
診断がつけば、
アルドステロン拮抗薬や血圧降下剤など
を用いて治療が可能です。
また、患者の状態によっては
外科的に腫大した副腎を摘出することで
根治が見込めます。
偽アルドステロン症??
こんな稀な疾患を紹介したのには、
わけがあります。
というのも、
漢方薬の代表的な副作用に
この病気と同じような
偽アルドステロン症というものが存在するからです。
これは漢方薬の多くに含まれる
「甘草」という生薬の、
グリチルリチンという成分が、
アルドステロンの作用を増強する効果があり
結果として
アルドステロン過剰による症状を引き起こすというカラクリです。
漢方薬は一般的に
副作用が少ないもの
として認識されておりますが
使うものとしてこういった問題が起こりうることを
しっかりと理解し、
疑わしい場合にしっかりと診断し、
漢方薬の中止を提案できないといけませんね🤔
今回は副腎の病気についての解説は終わりです!
今度はどんなシリーズにしようか、また看護師さんに質問して考えます笑