こんにちは!芋沢院の榎原です☀️
昨日ミニーちゃんを膝に乗せたまま作業していたせいか
股関節が痛いです😅
そろそろ院長お勧めの
タイ古式マッサージに行こうかと思います🤔
中2から姿勢が悪いと言われてきたので、
ストレッチするだけでも変わりそうです。。
今日は副腎の疾患第二弾です💡
アジソン病
前回のクッシングは知っている方も
いらっしゃったと思いますが
今回のアジソン病となると、
知っている方はグッと減るんじゃないかと思います🤔
しかし、病態は単純です。
クッシングの逆で、
副腎から分泌されるホルモンが
異常に少なくなってしまった、
副腎機能不全がアジソン病です。
この病気は犬でたまに認められ、
猫ではごく稀に存在すると言われています。
どんな病気か?
ホルモンの分泌が少なくなったって
どうゆうこと?
と思われるかもしれませんので、
さらに詳しく解説します。
副腎からは、前々回のブログでご説明しましたように
・糖質コルチコイド(ステロイド)
・鉱質コルチコイド(アルドステロン)
・アドレナリン
・ノルアドレナリン
など多くのホルモンが分泌されています。
副腎の細胞・組織が何らかの要因により萎縮、破壊されると
このうち、
・糖質コルチコイド
・鉱質コルチコイド
の両方あるいはどちらかが
分泌されなくなり、
不足したホルモンに関連した症状が発症します。
症状は?
例えば、糖質コルチコイドはいわゆるステロイドであり、
血糖値の上昇、ストレスへの対応、炎症反応を抑える
などの働きがありますので
不足すると
低血糖、沈鬱状態、炎症が全然治らない、下痢、食欲不振
などの症状を発症します。
また、鉱質コルチコイドというホルモンは
腎臓に作用し、体に存在するナトリウム(Na)やカリウム(K)
などの電解質のバランスを調節し、血圧の調節に関与しています。
不足すると
電解質のバランス異常や、低血圧・循環不全
が発症します。
これらの症状は常に現れているわけではなく、
初期にはストレスがかかった時にだけ出現します。
これは副腎の機能はある程度の予備能力(余力)
があるために、90%以上の機能消失があって
初めて予備能力を超えて症状が現れる
からであると言われています。
また、アジソン病で最も怖いのは、
アジソンクリーゼ
といって、初期の段階で気づかれずに
完全なホルモン不足に陥った際に現れる
低血糖・低血圧・虚脱の発作です。
迅速な対処がなされなければ命に関わりますので、
早急な診断と治療が必要となります。
原因は?
現在のところ完全には解明されていないようですが
副腎に対する自己免疫が働き
細胞破壊が進行すると考えられています。
遺伝的な要因は発覚していませんが
経験的にはパピヨンでの発症が
多いように思われます。
診断は?
アジソン病では、普段の犬は何の症状も
認められないため
健康診断でたまたま発見されるか
ストレス時の症状に飼い主様が違和感を覚えて検査に進まない限り
見つかりづらい疾患です。
血液検査で特徴的な
電解質バランスの異常や低血糖
体での炎症反応などを見つけ、
服部超音波検査で副腎の萎縮が認められれば
疑いありです。
血液検査の結果から
そのほかに考えられる疾患はないか
除外診断などを同時進行しつつ、
アジソン病に対する精査に進みます。
確定診断法
前回解説したクッシング症候群の確定診断法(精査)は
ACTH刺激試験
というものでした。
実は、アジソン病の確定診断でもこの方法を用います。
クッシング症候群ではステロイドホルモンの
過剰分泌を捉えるための検査でしたが
今回のアジソン病では逆の、
ステロイドの分泌が全くからほぼないことの確認ができれば
確定診断となります。
治療法
治療は、内服や注射を用いて
不足したホルモンの補充になります。
クッシング症候群よりもシンプルですね!
過剰な投与により逆に医原性クッシングを
引きおこさないようにしたり、
ストレスがかかる時に症状が出ないように
一時的な用量調節をしたりと
注意深い経過観察が一生涯必要となりますが…
十分なホルモン補充がなされ、
安定した管理がなされれば
概ね天寿を全うできる病気です^^
まとめ
・アジソン病は、クッシング症候群の反対で、ホルモンの不足する病気
・不足するホルモンの種類により症状が現れる
・血液検査、超音波検査で疑いがあれば、ACTH刺激試験で確定
・治療は内服、注射によるホルモン補充療法。
・治療は一生涯必要だが、適切に行えば寿命を全うできる。
今回はクッシングよりもシンプルな病気ですが、
時に命を落とすほどの重症な状態になる疾患について解説しました!
少しでも参考になれば幸いです^^