こんにちは。芋沢院の榎原です☀️
病院で働いていると、良く「引く」医者がいると
言う表現が使われることがあります。
あんまり遭遇しない疾患が来院したり
大変な処置が連続したり。
実は、私もその1人です笑
あと、2回同じ病気が来ると
3回目があるからね!
なんてことも言われたりします笑
昨日はまさにそんな日でして
1日で何回も異物を食べてしまった!
というお問い合わせがありました。
異物の誤食事件
異物の誤食は、若い子に
多発する問題です。
おおよそ2歳くらいまででその傾向は落ち着きますが
歳をとっても無いとは言い切れません。
特に子犬時期の誤食はとても多いので
飼い主様もそれを認識して
小さいものや噛み千切れるものを
与えたまま、床に置いたまま放置しないように
注意が必要です。
ちなみに猫では誤食が少ないとされていますが
やたらと食べる猫ちゃんはなぜかしょっちゅう
布やマットを食べて来院します🤣
また、ひも状異物の誤食が多いのも猫ちゃんです🤔
変なものを食べてしまったら
何をいつ食べてしまったかにより対応が
大きく変わってきます。
食べてしまったことを認識したら
まずは落ち着いて
・何をどのくらいたべたのか
・いつ食べたのか
・その後変な様子がないか(嘔吐や腹痛、ぐったり感など
を確認しましょう。
病院へ相談して欲しいケース
ティッシュや小さいゴミ、普段食べるものよりも小さいサイズの
吸収されない物質であれば、急を要するケースは稀だと思います。
しかし、食べたものが
・中毒を引き起こすもの
→薬品や中毒植物、中毒性食物(ネギ・チョコなど)
・尖ったもの
→割れたプラスチックや串、釘、針
・大きなもの
→おもちゃ、タオル、マット、とうもろこしの芯などの丸呑み
・磁石や電池などの危険物
・ひも状のもの
の場合はトラブルを引き起こす可能性が高いため
病院へ連絡をしてできるだけ早く受診をしてください。
病院での対応
食べたものや食べてからの時間によって
対処を検討します。
①催吐処置(吐かせる)
口から入ったものは口から出せる
という格言がありますが(笑)
尖っていたり、食道を通過する際に
問題を起こすようなものでなければ
催吐処置を検討します。
目安として異物を食べてしまってから
2時間以内であれば、胃に残っている可能性が高く
中毒性のものもすべては吸収されていない可能性
がありますので
気付いたらなるべく早く病院へ行きましょう。
逆に食べてから時間が経ってしまって
いる場合、異物が胃から流れていたり
吸収されてしまっていると考えられるので
まずは検査を行い、
適切な対応を行います。
②内科対症治療
異物が小さくうんちとして出てくることが期待できる場合
中毒の起こす可能性が低い場合
中毒が起きても軽度な症状で済む場合
は点滴や内服などを行い経過観察とします。
しかし、場合により入院や注意深い観察が必要で
もしもの場合は手術となることを
覚悟する必要があります。
③内視鏡で取り出す・洗う
・異物が催吐処置で出ない場合、
・尖っている異物
・摂取後30分以内の中毒物質の洗浄が必要な時
などで、内視鏡での摘出が期待できる
のであれば内視鏡にて摘出を試みます
この場合は全身麻酔が必要となりますので
しっかりとした術前検査を行います。
また、残念なことに
時間をかけてもなかなか摘出できない
内視鏡をした時点で小腸の方へ異物が流れている
などの場合では
開腹手術へ切り替える覚悟もしなければいけません。
④開腹手術
・明らかに大きく、内視鏡でも催吐処置でも
・摘出できない
・あるいは消化管の穿孔がある
・ひも状異物である
などの状況では
手術による異物の摘出が最適な方法となります。
異物のある場所や大きさ、長さ、障害の大きさ
合併症の有無
により難易度やリスクは異なりますが
前述の通り異物を食べるこのほとんどが
若いため
手術のリスクよりもメリットが高いケースがほとんどです。
もちろん、異物の誤食から時間が経ってから
来院されたり、状態が悪くなっているケースでは
リスクは高くなっているため
手術は十分な術前管理の後に行うこともあります。
異物が取れたら
①〜③で異物が綺麗に摘出され、
合併症もなければすぐに帰宅し、
心配なく過ごすことができます^^
*)中毒物質で後から症状が出る場合には注意
開腹手術となってしまった場合は
長くて1週間
早ければ2〜3日目に退院が可能です。
手術時の状況や切開の部位
ご自宅での管理が可能かどうか
などでこの辺りは変わってくるため
獣医師と相談してみましょう。
大事なこと
異物を食べてしまった子は
再犯する可能性が高いと言うことを認識することです笑
びっくりするケースでは1ヶ月以内の
再来院もあります😱
入院する場合にも、
入院中のタオルやペットシーツの誤食には
細心の注意が必要なんです。。
まとめ
人も犬猫も
子供のうちは好奇心旺盛!
危ないものはほっぽっておかないように、
しっかりと管理してあげましょう!
世のお父さんたちは変なものを置きっぱなしにして
もし子供や動物がそれを誤食をしてしまったら…
あとで鬼のように怒られる事は必至なので
十分に注意しましょう笑