2017年05月16日  

犬が口内炎を引き起こす原因と主な症状

こんにちは!!
今回は、犬の口内炎についてお伝えします。
<なお、本記事はかつてとあるコンテンツに寄稿させていただいたものを、先方から許可を得て掲載していますので、著作権上、無断で文章及び画像の引用は固くお断りいたします。>





■ 犬の口内炎とは?
口内炎とは、口唇や歯肉、舌などの軟部組織と呼ばれる場所に発生する炎症全般のことを指します。口の中の組織は他の場所に比べ、血管が非常に多く分布していることや、フードやおやつといった外部環境の影響を受けやすいため、ちょっとしたことで口の中の環境は悪化してしまいます。
今回は、そんなお口の中で発生する口内炎の原因についてお伝えし、さらには、なるべく早く発見できるよう、口内炎に特徴的な症状についてもお伝えします。

■ 犬の口内炎の原因
犬の口内炎は実に様々な要因によって引き起こされます。代表的なものをご紹介します。

● 歯周病
おそらく犬の口内炎の原因としてはもっとも多いものが、この歯周病です。実は3歳以上の成犬の、実に8割以上が多少なりとも歯周病にかかっていると言われています。歯周病は、歯と歯茎の間にたまった歯垢が原因となって発症する病気です。しかも歯周病は口内炎だけでなく、様々な全身の病気にも関係していると考えられており、犬の健康管理を行う上で非常に重要な病気です。

Tierarzt
● 尿毒症
尿毒症は、本来、腎臓から尿に排泄されるべき体の老廃物が、体内にたまってしまうことで引き起こされる症状です。そしてその老廃物の中には、中毒症状をもたらす物質も含まれています。それらは主に体の細部の血管を傷害するため、そういった血管が豊富に含まれる口腔粘膜や胃腸の粘膜も傷害されてしまい、その結果として口内炎や胃潰瘍が生じると考えられています。

● 高アンモニア血症
通常、肝臓でタンパク質を代謝する過程で発生したアンモニアは、体にとって有害なため、さらに代謝を受けて無毒化されます。しかし何らかの原因で肝臓の代謝異常が生じると、アンモニアが代謝されずに体に溜まってしまい、全身に様々な悪影響を及ぼし、その一つとして口内炎を発症させます。またアンモニアは口内炎だけでなく、けいれん発作など重篤な症状を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

● 免疫性疾患
アレルギー性皮膚炎や天疱瘡(”てんぽうそう”水ぶくれのような症状)など、皮膚の病気として知られているこれらが、実は口の中でも発症し、口内炎を発生させることがあります。

● 感染症
ワクチンが普及した昨今ではあまりみられなくなりましたが、ジステンパーウイルスなどのウイルス感染や細菌感染などによる口内炎がみられることがあります。

● 外傷
固いガムやおやつ、あるいはロープなどのおもちゃをかじることで、口の中を傷つけてしまうことがあります。また、電気コードをかじって感電したりして、口の中に傷を負ってしまうケースもあり、これらが口内炎の原因になることもあります。

■ 犬の口内炎の主症状
口内炎の症状は多岐にわたります。これらがすべて発症するケースもありますし、どれか一つだけというケースもあります。少しでも気になる症状があれば、早めに動物病院を受診されることをオススメします。

● 歯石
口内炎の原因として多いと考えられる歯周病では、ほとんどのケースで歯石が付着しています。歯石は奥歯や歯の裏側が見逃されることが多いため、ご自宅で歯石をチェックする際には、こういったところもきちんと確認するようにしてください。

● 口臭
口内炎の原因となる病気のほとんどが、二次的な細菌感染を伴っています。そしてこれら細菌感染によって口臭が引き起こされます。また尿毒症の場合は、体に溜まった老廃物による口臭を発生させます。

● 口の痛み
ほとんどの口内炎は痛みを伴います。そのため、犬の仕草として「口の周りを手でかくような仕草をする」「ごはんを食べたそうにするけど、食べようとしない」「歯に何か挟まったような、口を何度も開いたり閉じたりといった仕草をする」、このような行動が見られた場合は注意が必要です。

● よだれ
口内炎があると、よだれもたくさん見られるようになります。特に口内炎の場合は、さらさらしたものよりは、ドロッとした唾液が口の周りに付着してしまうことが多く、さらに口臭を悪化させる原因となります。

Salivating panting dog in a hot Summer

■ まとめ

Veterinarian checking dog's teeth
犬の口内炎といっても、上記の通り、実に様々な原因で発生します。ですので、口内炎を治療するとなるとまずは正しい診断を行うことが重要です。しかも口内炎が進んでしまうと、痛みから食欲が落ちてしまいます(食べたくても食べられない)ので、全身状態も悪化してしまいます。普段から犬の口の中をこまめにチェックして、少しでも「口内炎かな?」と感じた場合は、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
また、歯周病など、口内炎の原因となる病気の中には、おうちでのケアで予防できるものもあります。犬のオーラルケア、ぜひ積極的に取り組まれることをオススメします。

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