2017年06月24日  

<ただ歩かせるだけじゃダメ!?健康的な犬のお散歩のコツと注意点(後編)>

こんにちは!!
今回は『犬のおさんぽ』の続きをお伝えします。
本記事は、過去に私が寄稿したものを許可を得て転載しています。
無断での引用、転載は禁止しておりますので、ご了承ください。




前回に続いて、適正なお散歩量を見つける方法と、より運動効果の高いお散歩方法について健康維持という視点から解説いたします。

適正なお散歩量を見つける方法

【病気の有無】
何かしらの病気にかかっている場合は、お散歩などの運動自体が病気の体に負担をかけるため、お散歩を控えることがほとんどです。中にはお散歩しないと排泄しない犬もいますので、そういった場合は、排泄場所まで愛犬を抱えて連れて行き、排泄が終わり次第すぐに帰るというような工夫が必要です。

しかし、椎間板ヘルニアや前十字靭帯断裂(”ぜんじゅうじじんたいだんれつ”太ももとスネの骨をつなぐ靭帯が切れてしまう病気)といった整形外科の病気で安静が必要な場合は、抱えて外へ行き排泄するという形でもお散歩は一切禁止になります。また、高齢の犬で慢性の関節炎にかかっている場合も、お散歩の量はかなり減らしてあげる必要があります。

このように病気の場合はお散歩の調整が必要なことがほとんどですから、お散歩に行っていいのかどうか、行っていい場合もどのくらいの量なら問題ないのかを必ず動物病院で相談するようにしてください。

肥満の傾向がある犬は、心臓や関節に大きな負担がかかるため、長時間のお散歩や動きの激しい運動は注意が必要です。もちろん減量のためには運動は大切なのですが、無理な運動は禁物。動物病院に相談しながらお散歩時間などを設定することをおすすめします。

散歩するダックスフンド

【年齢】
おおよその目安として、小型犬では10歳以上、中型犬や大型犬では7歳以上の高齢になると、背骨や関節への負担が大きくなってきます。特に大型犬は関節への負担が大きいので、高齢の場合はあまり長時間の散歩は控えた方が良いかもしれません。

しかし、あまりに運動量が少ないと、今度は関節をカバーするべき筋肉も衰えてしまいますので、全くお散歩をやめてしまうのではなく、軽いお散歩は続けるべきです(脳の活性化という意味でも)。やはり目安は、普段のお散歩時間と愛犬のその時の様子にもよりますが、排せつを外でさせたり、外の匂いを十分にかがせてあげる程度などのお散歩がおすすめです。

また、病気が隠れている場合は、お散歩が大きな負担になることもありますので、高齢の犬は動物病院で健康診断を定期的に受け、その際にお散歩についても相談されることをおすすめします。

Rennender Labrador auf der Wiese

より運動効果の高いお散歩方法
単調な道路を歩く、走るだけでは、少々もったいないお散歩になっていることをご存知でしょうか?

実は、アスファルトや芝生、土の上、砂利といった様々な地面を歩かせることで、犬の足裏を刺激することができ、それが脳神経への良い刺激になります。また、傾斜の坂道であれば、普段歩くときに使う筋肉と別の筋肉が刺激されますので、体力維持という視点ではより好ましいお散歩と言えます。

一方で、食後のお散歩は胃腸に大きな負担がかかります。特に大型犬で発症の多い「胃捻転(いねんてん)」というかなり重めの病気は、食後のお散歩が原因になることもありますので注意が必要です。食後は最低でも2時間、できれば3〜4時間は休憩をとってからお散歩しましょう。

まとめ

以上、犬の健康維持という視点から、お散歩の工夫や注意点をご紹介させていただきました。

「この子のお散歩はこれで決まり!!」というのではなく、逆に日々の愛犬の体調を見ながら調整してあげることが大切です。また、愛犬の普段のお散歩量や状態によって散歩時間の短さや長さの基準は異なります。例えば、「普段1時間お散歩をしているが、歳を重ねるにつれて、足取りが重そう・・・」などの場合は30分や10分に短くしてあげる工夫が必要でしょう。

最後に、お散歩で最も大切なのは「マナー」です。排泄の処理はもちろん、排泄させる場所にも注意を払ったり、ノミやマダニの予防をしておくなど、最低限のルールを守っていただき、人も犬も安全安心で楽しいお散歩ができるようにしましょう。

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