こんにちは!!
今回は『犬のおさんぽ』についてお伝えします。
本記事は、過去に私が寄稿したものを許可を得て転載しています。
無断での引用、転載は禁止しておりますので、ご了承ください。
普段、愛犬と何気なく行っているお散歩。そんなお散歩もちょっとしたポイントをおさえるだけで、より健康増進に役立つ運動になります。そこで今回はお散歩について、健康維持という視点から解説いたします。
運動だけじゃない、ワンちゃんのお散歩の目的
【脳の活性化】
お散歩は、ただ運動するだけではありません。室内のいつもいる生活空間から離れて活動しますので、犬にとっては様々な「脳への刺激」を受ける機会にもなります。お散歩中に様々な匂いを嗅ぐ、または他の人間や犬と触れ合うことで、普段の生活の場所では得られない刺激が脳を活性化してくれます。
近年、寿命の増加とともに増えている犬の痴呆(”ちほう”脳の障害や老化が原因で様々な能力が低下すること)も、お散歩で脳へ刺激を与えることで、もしかすると防げるかもしれません。ですので、お散歩はただ歩かせるのではなく、愛犬が興味を持つものにも注意を払ったり、他の人や犬との交流も積極的にさせてあげてください。
もちろん、匂いを嗅ぐにしても放置された便には寄生虫のリスクがあり、またトレーニングできていないワンちゃんが他の人や犬と触れ合うと問題を起こすことも考えられます。ですので、そこはしっかりと愛犬とコミュニケーションを取る中でコントロールしてあげましょう。
【健康チェック】
また、お散歩を毎日コンスタントに続けてあげることで、愛犬の健康状態をチェックすることができます。
お散歩前の愛犬の状態を見たり(いつもはお散歩の準備をするとすごく喜ぶのに、今日はあんまり喜ばないなあ、など)、お散歩中は歩幅や重心のかけ方、あるいは足を上げたり引きずったりしていないかといった様子を見てあげてください。
また、病気の場合、ほとんどのケースではお散歩へ行くのを嫌がります。もし、お散歩へ出たとしても少しの時間で歩くのが辛そうな様子が見られることもあります。これらのお散歩の健康チェックで異常が見られた時は、お散歩は控えて動物病院に相談するようにしましょう。
適正なお散歩量を見つける方法
人間では、運動時の心拍数や呼吸数、あるいはその人の筋肉量や体脂肪などに基づいて、適正な運動量が設定されます。
しかし残念ながら、犬にはそのような「適正な運動量」を測るデータがなく、お散歩の「基準」というものはありません。ただ、適正な運動量を考える目安の一つとして体重と体型の変化には注意してあげましょう。
体重も体型もあまり変動が大きいのは好ましくありません。食事も関係することですが、体重が増えたり肥満体型になる場合は、できるだけお散歩の時間も増やしてあげたいところです。また、犬種や性格、病気の有無、肥満、年齢、暑さや寒さなどを考慮してあげる必要があります。
【犬種】
一般的に多くの散歩量が求められるのは大型犬とされています。またパグやフレンチブルドックといった短頭種(比較的頭の短い犬種)は、激しい運動で呼吸困難や熱中症を起こしてしまうこともあるため、あまり長時間のお散歩は控えたほうが良いかもしれません(目安としては、普段の散歩量と、その散歩中の犬の様子を見て判断が必要です)。特に暑い日のお散歩は厳禁です。
さらにダックスフントを代表とする軟骨異栄養犬種と呼ばれる犬種は、椎間板ヘルニア(”ついかんばんヘルニア”椎間板が損傷してしまったり変形してしまう病気)のリスクがあるため、跳ねまわったり段差の大きい階段の上り下りには注意が必要です。
【性格】
お外が大好きな子は長めのお散歩でも問題ありません。しかしシャイな性格などで、普段の散歩は30分程度しか行わない、というお外が苦手な場合は、あまり無理に歩かせるとストレスによる体調不良や問題行動を引き起こすことがあるため、無理に時間を増やすのではなく、10分など短時間で済ませるようにしましょう。できればドッグトレーナーさんの指導のもと、お散歩の苦手を克服するトレーニングをしてあげることをおすすめします。
次回では病気や肥満、年齢の面からもお散歩の適正量を解説し、より運動効果の高いお散歩方法についても見ていきたいと思います。
ただ歩かせるだけじゃダメ!?健康的な犬のお散歩のコツと注意点(後編) >>
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