こんにちは!!
10月も半ばを過ぎて、
すっかり朝晩は冷え込むようになりましたね。
今回は、この時期のワンちゃんの皮膚についてお伝えします。
特に梅雨時期から夏場にかけての
じめ~っとした暑さで、皮膚や耳の
コンディションがイマイチだった
ワンちゃんは、ようやく少し楽に
なってくる時期ですよね。
しかし、今年はなんとなく変。。。
森のいぬねこ病院で診察させていただ
いているアレルギー性皮膚炎のワン
ちゃんでも、毎年、涼しくなってくるこの
時期になると落ち着くはずの子が、
今年はかゆみがなかなか治まらないんです。
また、暑い時期は大丈夫でも、
秋ごろから痒みが出始めるワンちゃんもいます。
一般的に、アレルギーを持っている
ワンちゃんの多くは、アレルギーの
原因物質は一つではなく、複数持って
いると言われています。
また、季節によって症状が変わるワン
ちゃんの場合は、花粉などの環境要
因によるアレルギーがあると考えられ
ます(人間の花粉症と同じですね)。
そして、その環境要因となる花粉の量
が多ければ多いほど、症状も強くなる
と言われています。
おそらく今年は、宮城の
花粉の量が多いのでしょう。
また、春先にピークを迎えるスギ花粉
も、徐々に飛散時期が長くなっていて、
11月ごろにも花粉が確認されることも
あるそうなので、注意が必要です。
(アレルギーのある飼い主様も
ご注意ください)
さて、アレルギーの治療ですが、
今でもやっぱり治療の中心はステロイド。
でもやっぱり「ステロイド」と聞くと、
拒否反応が出てしまう方もいらっしゃいます。
ですが、症状が強いときには、
下手にいろんな治療に手を出すよりは、
ステロイドを正しい使い方で投薬して
あげることをお勧めします。
よく「ステロイドは危険なので、
絶対使いたくない」と考える飼い主様も
いらっしゃるのですが、
ステロイド療法が怖いのは、
「長期投与による副作用」
と
「ステロイド“だけ”に頼った治療」
です。
逆に、正しくステロイドを使うと、
ワンちゃんも早く辛いかゆみから
解放されますし、ほとんど副作用に
悩むことなく治療することができます。
ですので、あまりに症状が強いとき
には、
「何を優先させるのか」
「症状が改善したあとはどうするのか」
ということを考えながら
治療を進めていくことが大切です。
そして、その辛いかゆみを乗り越えたら、
あるいは、難治性でどうしてもステロイド
を手放せない場合には、
少しでも、皮膚のコンディションを
良くするために、
栄養学的なアプローチや
スキンケアといった、様々な対策が有効になります。
もちろん、症状が軽度で、ステロイドを
使うまでもないような状態では、
最初から、ステロイドに頼らない
アプローチをすることもあります。
でも、どんな治療もそうですけど、
慢性的な皮膚病の対策は、
1頭1頭、ほんとみんなそれぞれですので、
じっくり取り組んでいくことが大切ですね。