<ただ歩かせるだけじゃダメ!?健康的な犬のお散歩のコツと注意点(前編)>

こんにちは!!
今回は『犬のおさんぽ』についてお伝えします。
本記事は、過去に私が寄稿したものを許可を得て転載しています。
無断での引用、転載は禁止しておりますので、ご了承ください。



普段、愛犬と何気なく行っているお散歩。そんなお散歩もちょっとしたポイントをおさえるだけで、より健康増進に役立つ運動になります。そこで今回はお散歩について、健康維持という視点から解説いたします。

運動だけじゃない、ワンちゃんのお散歩の目的

【脳の活性化】
お散歩は、ただ運動するだけではありません。室内のいつもいる生活空間から離れて活動しますので、犬にとっては様々な「脳への刺激」を受ける機会にもなります。お散歩中に様々な匂いを嗅ぐ、または他の人間や犬と触れ合うことで、普段の生活の場所では得られない刺激が脳を活性化してくれます。

近年、寿命の増加とともに増えている犬の痴呆(”ちほう”脳の障害や老化が原因で様々な能力が低下すること)も、お散歩で脳へ刺激を与えることで、もしかすると防げるかもしれません。ですので、お散歩はただ歩かせるのではなく、愛犬が興味を持つものにも注意を払ったり、他の人や犬との交流も積極的にさせてあげてください。

もちろん、匂いを嗅ぐにしても放置された便には寄生虫のリスクがあり、またトレーニングできていないワンちゃんが他の人や犬と触れ合うと問題を起こすことも考えられます。ですので、そこはしっかりと愛犬とコミュニケーションを取る中でコントロールしてあげましょう。

【健康チェック】
また、お散歩を毎日コンスタントに続けてあげることで、愛犬の健康状態をチェックすることができます。

お散歩前の愛犬の状態を見たり(いつもはお散歩の準備をするとすごく喜ぶのに、今日はあんまり喜ばないなあ、など)、お散歩中は歩幅や重心のかけ方、あるいは足を上げたり引きずったりしていないかといった様子を見てあげてください。

また、病気の場合、ほとんどのケースではお散歩へ行くのを嫌がります。もし、お散歩へ出たとしても少しの時間で歩くのが辛そうな様子が見られることもあります。これらのお散歩の健康チェックで異常が見られた時は、お散歩は控えて動物病院に相談するようにしましょう。

dog with leather leash waiting to go walkies

適正なお散歩量を見つける方法

人間では、運動時の心拍数や呼吸数、あるいはその人の筋肉量や体脂肪などに基づいて、適正な運動量が設定されます。

しかし残念ながら、犬にはそのような「適正な運動量」を測るデータがなく、お散歩の「基準」というものはありません。ただ、適正な運動量を考える目安の一つとして体重と体型の変化には注意してあげましょう。

体重も体型もあまり変動が大きいのは好ましくありません。食事も関係することですが、体重が増えたり肥満体型になる場合は、できるだけお散歩の時間も増やしてあげたいところです。また、犬種や性格、病気の有無、肥満、年齢、暑さや寒さなどを考慮してあげる必要があります。

【犬種】
一般的に多くの散歩量が求められるのは大型犬とされています。またパグやフレンチブルドックといった短頭種(比較的頭の短い犬種)は、激しい運動で呼吸困難や熱中症を起こしてしまうこともあるため、あまり長時間のお散歩は控えたほうが良いかもしれません(目安としては、普段の散歩量と、その散歩中の犬の様子を見て判断が必要です)。特に暑い日のお散歩は厳禁です。

さらにダックスフントを代表とする軟骨異栄養犬種と呼ばれる犬種は、椎間板ヘルニア(”ついかんばんヘルニア”椎間板が損傷してしまったり変形してしまう病気)のリスクがあるため、跳ねまわったり段差の大きい階段の上り下りには注意が必要です。

【性格】
お外が大好きな子は長めのお散歩でも問題ありません。しかしシャイな性格などで、普段の散歩は30分程度しか行わない、というお外が苦手な場合は、あまり無理に歩かせるとストレスによる体調不良や問題行動を引き起こすことがあるため、無理に時間を増やすのではなく、10分など短時間で済ませるようにしましょう。できればドッグトレーナーさんの指導のもと、お散歩の苦手を克服するトレーニングをしてあげることをおすすめします。

次回では病気や肥満、年齢の面からもお散歩の適正量を解説し、より運動効果の高いお散歩方法についても見ていきたいと思います。

ただ歩かせるだけじゃダメ!?健康的な犬のお散歩のコツと注意点(後編) >>

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<ただ歩かせるだけじゃダメ!?健康的な犬のお散歩のコツと注意点(後編)>

こんにちは!!
今回は『犬のおさんぽ』の続きをお伝えします。
本記事は、過去に私が寄稿したものを許可を得て転載しています。
無断での引用、転載は禁止しておりますので、ご了承ください。




前回に続いて、適正なお散歩量を見つける方法と、より運動効果の高いお散歩方法について健康維持という視点から解説いたします。

適正なお散歩量を見つける方法

【病気の有無】
何かしらの病気にかかっている場合は、お散歩などの運動自体が病気の体に負担をかけるため、お散歩を控えることがほとんどです。中にはお散歩しないと排泄しない犬もいますので、そういった場合は、排泄場所まで愛犬を抱えて連れて行き、排泄が終わり次第すぐに帰るというような工夫が必要です。

しかし、椎間板ヘルニアや前十字靭帯断裂(”ぜんじゅうじじんたいだんれつ”太ももとスネの骨をつなぐ靭帯が切れてしまう病気)といった整形外科の病気で安静が必要な場合は、抱えて外へ行き排泄するという形でもお散歩は一切禁止になります。また、高齢の犬で慢性の関節炎にかかっている場合も、お散歩の量はかなり減らしてあげる必要があります。

このように病気の場合はお散歩の調整が必要なことがほとんどですから、お散歩に行っていいのかどうか、行っていい場合もどのくらいの量なら問題ないのかを必ず動物病院で相談するようにしてください。

肥満の傾向がある犬は、心臓や関節に大きな負担がかかるため、長時間のお散歩や動きの激しい運動は注意が必要です。もちろん減量のためには運動は大切なのですが、無理な運動は禁物。動物病院に相談しながらお散歩時間などを設定することをおすすめします。

散歩するダックスフンド

【年齢】
おおよその目安として、小型犬では10歳以上、中型犬や大型犬では7歳以上の高齢になると、背骨や関節への負担が大きくなってきます。特に大型犬は関節への負担が大きいので、高齢の場合はあまり長時間の散歩は控えた方が良いかもしれません。

しかし、あまりに運動量が少ないと、今度は関節をカバーするべき筋肉も衰えてしまいますので、全くお散歩をやめてしまうのではなく、軽いお散歩は続けるべきです(脳の活性化という意味でも)。やはり目安は、普段のお散歩時間と愛犬のその時の様子にもよりますが、排せつを外でさせたり、外の匂いを十分にかがせてあげる程度などのお散歩がおすすめです。

また、病気が隠れている場合は、お散歩が大きな負担になることもありますので、高齢の犬は動物病院で健康診断を定期的に受け、その際にお散歩についても相談されることをおすすめします。

Rennender Labrador auf der Wiese

より運動効果の高いお散歩方法
単調な道路を歩く、走るだけでは、少々もったいないお散歩になっていることをご存知でしょうか?

実は、アスファルトや芝生、土の上、砂利といった様々な地面を歩かせることで、犬の足裏を刺激することができ、それが脳神経への良い刺激になります。また、傾斜の坂道であれば、普段歩くときに使う筋肉と別の筋肉が刺激されますので、体力維持という視点ではより好ましいお散歩と言えます。

一方で、食後のお散歩は胃腸に大きな負担がかかります。特に大型犬で発症の多い「胃捻転(いねんてん)」というかなり重めの病気は、食後のお散歩が原因になることもありますので注意が必要です。食後は最低でも2時間、できれば3〜4時間は休憩をとってからお散歩しましょう。

まとめ

以上、犬の健康維持という視点から、お散歩の工夫や注意点をご紹介させていただきました。

「この子のお散歩はこれで決まり!!」というのではなく、逆に日々の愛犬の体調を見ながら調整してあげることが大切です。また、愛犬の普段のお散歩量や状態によって散歩時間の短さや長さの基準は異なります。例えば、「普段1時間お散歩をしているが、歳を重ねるにつれて、足取りが重そう・・・」などの場合は30分や10分に短くしてあげる工夫が必要でしょう。

最後に、お散歩で最も大切なのは「マナー」です。排泄の処理はもちろん、排泄させる場所にも注意を払ったり、ノミやマダニの予防をしておくなど、最低限のルールを守っていただき、人も犬も安全安心で楽しいお散歩ができるようにしましょう。

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<高齢猫に落ち着きがないのはなぜ?猫の甲状腺機能亢進症について>

こんにちは!!
今回は『猫の甲状腺機能亢進症』についてお伝えします。
本記事は、過去に私が寄稿したものを許可を得て転載しています。
無断での引用、転載は禁止しておりますので、ご了承ください。




【甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)とは】

甲状腺からは、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)と呼ばれる「甲状腺ホルモン」が分泌されますが、甲状腺機能亢進症を発症すると、そのホルモンが過剰に分泌されてしまいます。

通常、甲状腺ホルモンに限らず、体から分泌されるホルモンは、脳や体の様々な部位によって分泌量を調整されるため、常に体に見合った量が作られています。しかし、甲状腺機能亢進症になると、甲状腺ホルモンの調節機能が働かないため、過剰に分泌された甲状腺ホルモンがどんどん体中を巡ってしまい、様々な症状を引き起こします。

hangover

【甲状腺機能亢進症の症状】
甲状腺ホルモンは体の代謝を亢進(通常より高まること)させるホルモンです。ざっくりとしたイメージとしては「体の機能が異常に活発になる」ということです。

見た目にも不自然に活発化されますので、甲状腺機能亢進症の猫は非常に落ち着きのない態度(ちょっとしたことですぐに興奮したり、常に何かを狙っているような顔つきになっていたりなど)を示すようになります。

一見、活発になるなら、それはそれで良いようにも思えますが、実は甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、たくさんのエネルギーが消費されてしまいます。それが「落ち着きがない」という症状以外にも様々な症状を引き起こしてしまい、たくさんの食事を摂るようになったり(多食)、その割に体重が落ちていったり(体重減少)、あるいは攻撃的になったりもします。

さらには嘔吐、多飲、頻呼吸(”ひんこきゅう”呼吸が浅く、回数が多い状態)なども見られ、ほとんどの猫では、心雑音、頻脈(脈拍数が通常より多い状態)、さらにはレントゲン検査で心臓が大きくなっている所見が認められます。血液検査では肝酵素系の数値(ALTやALPなど)が上昇します。

また、病気が進行してしまうと、逆に元気がなくなり、ぐったりするようになるので注意が必要です。

【甲状腺機能亢進症の原因】
甲状腺機能亢進症は、ほとんどが高齢の猫に発生し、犬の甲状腺機能亢進症は非常にまれです。しかし、なぜ猫だけに多いのか、そして、なぜその中でも特に高齢の猫に多いのかはわかっていません。

【甲状腺機能亢進症の予防及び治療法】
甲状腺機能亢進症は原因が不明のため、確実な予防方法は今のところありません。
もし甲状腺機能亢進症になってしまったら、治療は大きく分けて3つの治療方法があります。
1. 内科療法
2. 外科療法
3. 食事療法
甲状腺機能亢進症を治療すると、それまで甲状腺ホルモンの作用によって隠れていた病気がはっきりと症状を表すことがあります。中でも腎機能低下症は、甲状腺機能亢進症の治療を開始後に症状を示すことが多く、注意が必要です。

1. 内科療法
内科療法では、チアマゾールなどの甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を使って治療します。甲状腺機能亢進症においては、この甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を猫の生涯ずっと飲ませ続ける必要があります。

外科療法を選択する場合でも、全身麻酔に耐えられる状態にするために、最初に内科療法を行うことがほとんどです。

チアマゾールなどによる治療は、効果が現れるまでに1週間以上かかることもあります。さらには元気が無くなったり、嘔吐、血液検査の異常といった副作用を示すことがありますので、治療にあたっては定期的な検査などで副作用のチェックをしていく必要があります。
また、チアマゾール以外にも症状や副作用に合わせて、補助的に他の薬を併用することもあります。

La prise de sang et l’analyse sanguine permettent d’étudier les composants du sang. La numération-formule sanguine apporte ainsi de nombreux renseignements.

2. 外科療法
外科療法では甲状腺を摘出する手術を行います。手術方法はいくつかありますが、ほとんどの場合、低カルシウム血症(血液中のカルシウム濃度が低下する病気)などの合併症がなければ、術後はお薬を使ったりせずに過ごせるようになります。逆に甲状腺ホルモンが作られなくなって、甲状腺機能低下症になることは非常にまれです。

しかし、外科手術の際、副甲状腺というカルシウム代謝を調整する器官が障害されると、低カルシウム血症が生じることがありますので注意しなくてはなりません。そのため、通常術後1〜2週間はカルシウムのチェックのため、入院管理が必要になります。

3. 食事療法
キャットフードの中に、猫甲状腺機能亢進症に特化したフードが発売されています。フードに含まれるヨウ素の量を非常に低く制限しており、甲状腺機能亢進症の猫の症状を緩和させる効果があるとされています。

内科療法や外科療法に比べると、副作用や合併症といったリスクがありませんので、猫に負担をかけずに治療をすることができるでしょう。

実際に私も治療で使うことがあるのですが、今のところ、治療効果は良いと考えています。
しかし、まだ甲状腺機能亢進症の療法食は発売されてそんなに時間が経っていないため、もっと十分な治療効果の検証が必要だと思いますし、さらに長期的な治療効果については未知数なところもありますので、かかりつけの獣医師の診察を受けながら使用するようにしてください。

ご飯を食べる猫

【まとめ】
甲状腺機能亢進症は、ほとんどが高齢の猫に発症します。また、最初は「歳とったのに、なんとなく活発になったなあ」というような、一見、病気の症状とは思われない状態ですので、気付かないことも多々あります。しかし、血液検査やレントゲン検査では、特徴的な所見を得ることができます。少しでも甲状腺機能亢進症を疑う時は、動物病院でチェックしてもらうようにしましょう。

また、甲状腺機能亢進症になってしまった場合でも、今はうまく管理しながら治療することができるようになっています。猫や飼い主様の状況に合わせた治療を選択してあげてくださいね。

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6/25 5th 上杉ねこまつり お手伝いします!!

こんにちは!!
今回は、6月25日(日)に開催される
『5th 上杉ねこまつり』
のお知らせです。




日時:2017.6.25 (sun) 10:00~15:00
会場:JAビル宮城 庭園広場 ※雨天中止
詳細は画像でチェックを!!

当日、私もお手伝いさせていただきます!!
ねこの健康相談ってことですが、
実行委員長の前田さんからは、
「他の動物でもいいよ〜」
とのこと。

病院を離れた獣医師は、なんでも話します(笑)

猫と暮らす方はもちろん、
猫と暮らしてみたい方、
猫と暮らしていない方(笑)、
そんなあなたも、ぜひお気軽に
ご相談にいらしてください。

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<犬の気管虚脱に要注意!!>

こんにちは!!
今回は『犬の気管虚脱』についてお伝えします。
本記事は、過去に私が寄稿したものを許可を得て転載しています。
無断での引用、転載は禁止しておりますので、ご了承ください。




■気管虚脱とは
呼吸で体から出入りする空気の通り道である「気管」が、様々な要因によって柔らかくなって変形してしまい(=虚脱”きょだつ”)、空気の通過障害が起きてしまう病気です。
高齢の小型犬に多く見られ、特にトイプードルやヨークシャーテリア、チワワ、ポメラニアンに特徴的な病気です。
気管虚脱には虚脱を起こす場所によってタイプがあります。
首のあたりなど頭に近い側の気管が虚脱を起こす、頸部気管虚脱(けいぶきかんきょだつ)。肺に近い側の気管が虚脱を起こす、胸部気管虚脱(きょうぶきかんきょだつ)と呼ばれるタイプのものがあります。

■気管虚脱の症状

The vet is showing gingivitis in the open mouth of the Big Black Schnauzer dog under anesthesia.

気管虚脱で最も典型的な症状として認められるのは「咳(せき)」です。最初は、暑い時や興奮時、運動した時などに乾いたような咳、いわゆる「空咳」をするようになります。
しかし、気管虚脱が進行すると、徐々に呼吸困難になってしまい、呼吸回数の増加やパウンティング(犬がハアハアと舌を出している状態)、湿ったような咳、あるいは運動してもすぐに疲れてしまう、というような症状も認められるようになります。
さらに末期では、呼吸困難によるチアノーゼ(犬の唇、舌が青紫色になる状態)や失神がみられ、時には呼吸困難によって命を落としてしまうこともあります。
また、気管虚脱には、もともと犬が抱えていた、呼吸器系の持病によって症状が悪化してしまうケースもあります。それらのうち、気管支炎や肺炎などによって気管虚脱が悪化する場合は、発熱や元気食欲の減退などがみられることもあります。
他にも、犬の気管は首元を触ると触れることができるのですが、頸部気管虚脱では、その首元の気管に軽く触れるだけで空咳をしてしまうという症状もみられます。

■気管虚脱の原因

Little dachshund is having fear for the veterinarian

気管の骨組みは、軟骨と同じような成分で作られているので、弾力はありますが、しっかりとした強度を保っています。そのため呼吸時に空気が出入りしたとしても、気管の骨組みが変形することはありません。
しかし、気管虚脱になると、その軟骨成分が何らかの原因で変化してしまい、気管は空気の出入りによって、簡単にぺたんこになります。そうなると空気の通り道が狭くなったり、広がったりしますので、うまく呼吸の空気が流れず、それが咳になったり、呼吸困難の原因になったりします。
今のところ、その気管の変形を起こす原因としては、遺伝性、栄養不良、そして肺や気管支といった、その他の呼吸器器官の異常によって引き起こされることが原因と考えられています。

■気管虚脱の予防及び治療法

Close up of brave dog having injection at veterinary ambulance

気管虚脱は遺伝性もあるため、完全に予防することはできません。しかし、危険因子としては、肥満が要因として認められていますので、日常生活ではとにかく太らせないようにすることが大切です。また、咳などの呼吸器症状自体が、気管に負担をかけますので、そういった症状がみられた時には、早めに治療を開始して気管の負担を取り除く、あるいは普段から加湿して気管粘膜を保護するなど、呼吸器に負担をかけない生活をすることも重要です。
治療に関しても、気管虚脱になってしまったら、残念ながら完治させる方法はありませんので、なるべく病状を悪化させないような治療を行うことになります。
内科的な治療では、鎮静剤、鎮咳剤、ステロイド剤、気管支拡張剤、抗生物質などが用いられ、それぞれの犬の状態に応じて、また気管虚脱の病状の進行具合に合わせて、様々なお薬の組み合わせを用いて治療していきます。
外科的な治療では「ステント」と呼ばれる気管の扁平化(ぺたんこになること)を防ぐものを設置する方法があります。しかし、ステント療法は実施している施設は限られています。その他にも呼吸困難の対策として酸素吸入を行ったり、気管を保護するために薬剤の吸入療法(ネブライジング)を行ったりすることもあります。

■まとめ
気管虚脱は、完治させることができない非常に厄介な病気です。治療も確実に症状を抑え込めるような、確立された方法はなく、様々なお薬を組み合わせて治療しているのが現状です。
気管虚脱の症状は、症状が進行すればするほど呼吸が苦しくなるため、その姿は見ている飼い主の方もかなり辛いものです。なおで、なるべく早い段階の「空咳」をするうちに、気付いてあげることが大切です。さらには、気管虚脱になるリスクを下げるために、太らせないようにすることも大切です。


<猫が副鼻腔炎を発症する原因は?症状悪化を防ぐ予防法と主な治療法>

こんにちは!!
今回は『猫の副鼻腔炎』についてお伝えします。
本記事は、過去に私が寄稿したものを許可を得て転載しています。
無断での引用、転載は禁止しておりますので、ご了承ください。



■ 副鼻腔炎とは?
人間も含め、動物には鼻腔の奥にさらに副鼻腔と呼ばれる空洞があります。猫ではこの副鼻腔に炎症を起こすことが多く、副鼻腔炎と呼ばれています。この副鼻腔は一度炎症が起こると、お薬が届きづらく、また外科処置も難しい場所ということもあり、慢性化しやすく、場合によってはその治療が一生涯にわたる、あるいは完治せず後遺症が残ってしまうケースもあります。

■ 副鼻腔炎の原因
猫 数匹副鼻腔炎のほとんどが、鼻炎による炎症が副鼻腔にまで達してしまうことで引き起こされます。その要因としては、若い猫やワクチンを打っていない猫では、ネコヘルペスウイルス1型やネコカリシウイルスといった伝染性のウイルス病による急性鼻炎が非常に多いと言われています。また、まれにクラミジアによる鼻炎から副鼻腔炎を発症するケースもあります。これらの感染症は、病原体を持った猫から感染するため、外に出る猫や複数の猫と暮らしている場合、病気にかかるリスクが高くなります。さらに、副鼻腔炎の場合、これらの感染症に加えて、細菌感染など複数の原因が重なって発症していることも多いと考えられています。
一方、年を取った猫では、若いころにかかったウイルス性鼻炎が慢性化してしまったケースのほかに、腫瘍(がん)による副鼻腔炎の発症もあります。
さらに副鼻腔炎の中には、はっきりとした原因が特定できない「特発性副鼻腔炎」と呼ばれるものもあります。また、人間では主な原因となるアレルギー性鼻炎は、猫では非常にまれな病気だと考えられています。

■ 副鼻腔炎の症状猫 鼻 アップ
くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻炎の症状がみられます。さらに重度の場合は鼻血がでることもあります。また、猫の場合は副鼻腔炎によってにおいが嗅げなくなると、食欲を無くしてしまうこともあります。
また、がんの場合は、顔の変形がみられることもあります。

 

 

■ 副鼻腔炎の予防

Cat is having vaccination on the table at the veterinarian

上記、副鼻腔炎の原因の中でも、ウイルス性やクラミジアによる鼻炎は、予防することができます。
ネコヘルペスウイルス1型、ネコカリシウイルス、ネコクラミジアはワクチンがありますので、幼い猫やワクチン未接種猫は1か月ごとに複数回(何回打つかは時期やタイミングによって異なります)、ワクチン接種済みの猫は年に1回の追加接種を行うことでこれらから発症する鼻炎、副鼻腔炎を予防することができます。
また、ウイルスをもらわないよう、屋内飼育を心がける、外から新しい猫を迎えるときは、しばらくの間別々に生活させる、といった工夫で、病原体を持っている猫との接触を避け、感染リスクを減らすこともできます。

■ 副鼻腔炎の治療
副鼻腔炎の治療は、その原因により異なります。まずウイルス感染に対しては、まだ有効な抗ウイルス薬が存在しないため特効薬はなく、インターフェロンといった免疫を高める治療や炎症を抑える対症療法を行います。また、猫の体が弱ったところに新たな感染が起こらないように、抗生物質を投与することもあります。これらウイルス感染は重症化することがあるため、そのような場合は入院治療が必要になることがあります。
治療の効き目が表れだした場合、7~10日ほどで症状は改善していきますが、副鼻腔炎の慢性化を防ぐために、数か月間は抗生物質などの治療を継続することもあります。
クラミジアや細菌感染では、その原因菌に合わせた抗生物質を投与します。通常、抗生物質による治療は長期間に及ぶため、培養検査と感受性検査という原因菌およびそれに有効な抗生物質を特定する検査を実施した上で、治療を行うことが大切です。
また、がんの場合は、ほとんどが手術による完全切除が解剖学的に難しいため、抗がん剤治療、放射線治療といった治療を組み合わせて実施することがほとんどです。近年は大学病院などでは動注化学療法といった、より抗がん剤の副作用を抑えた治療法も実施されています。

■ まとめ
猫の副鼻腔炎は慢性化すると非常に治療がやっかいな病気です。そのため日ごろからの予防や、鼻炎症状がみられた場合の早期発見と早期治療が大切なポイントになります。特に外にでる猫は感染のリスクがとても高いので、ワクチン接種は積極的に行うことをお勧めします。


<猫の膿胸は早期発見が大切!初期症状と主な治療方法>

こんにちは!!
今回は『猫の膿胸』についてお伝えします。
本記事は、過去に私が寄稿したものを許可を得て転載しています。
無断での引用、転載は禁止しておりますので、ご了承ください。



■ 猫の膿胸とは
膿胸(のうきょう)とは、なんらかの原因で胸腔(きょうくう)に膿が溜まってしまう状態のことを言います。胸腔は、肋骨の内側にあり呼吸をするときに新鮮な空気を吸った肺が膨らむためのスペースのことを言います。膿胸ではそのスペースが膿で充満してしまうため、呼吸困難となり、非常に危険な状態に陥ってしまいます。ですので猫の膿胸はできるだけ早期に発見し、早期治療を行うことが大切です。
しかし、猫の膿胸の非常に難しいところは、早期発見をするにも、膿胸を発症した初期の段階ではほとんど症状を示さず、症状に気づかないという点です。しかし、普段から猫の状態をよく観察していれば、わずかな症状に気づき、末期に進む前に病気を発見することができます。

■ 猫の膿胸の症状とは
2 Tigerkatzen im Streit前述しましたが、猫の膿胸では初期症状に非常に気づきづらく、それが病気をより重篤なものにしています。猫の膿胸の原因のほとんどが、胸腔に貫通する外傷、つまり猫同士のケンカで爪や牙が胸に刺さってしまうことによります。そしてその外傷によって爪や歯の細菌が胸腔内に侵入し、感染および膿を発生させます。その膿は数日あるいは数週間の時間を経て、胸腔内にどんどんとたまり、やがて肺が膨らむスペースを膿で占拠してしまい、呼吸困難を引き起こします。ここまでくれば、症状として、呼吸困難はもちろん、元気食欲の低下、少しの運動で苦しくなってしまうというような症状が明らかになります。
しかし、ここまで進行してしまうと明らかに末期症状ですので、大変危険です。そのため、膿胸をなるべく早く発見するためには、以下の2点に注目することで、早期発見につながることがあります。
● 外傷の痕跡を見つける
● 呼吸数の増加
これらは、普段から、しっかりとスキンシップをとっていること、安静にしているときの呼吸を確認していることで、何かしらの異常があったときに気づくことができます。特に同居猫がいる場合や、外に出ることがある猫は、膿胸のリスクが高いと言えますので、普段から傷はないか(これは胸に限らず全身をチェックできると良いですね)、安静時の呼吸はどれくらいか(通常は1分間に何回呼吸をしているのかを測定します)をチェックするようにしましょう。
ちなみに、胸部の外傷は数日で消えてしまうことも多く、実際に動物病院に来院した時点では傷跡が確認できないことがほとんどです。また、呼吸状態も「なんとなく早いかな」程度ですので、一見症状だけをみていると「もう少し様子を見てもいいかな」と思いがちですので注意が必要です。猫 治療

■ 膿胸の治療
膿胸の治療は、重度であればあるほどリスクが高くなってしまいます。まず、呼吸困難を起こしているレベルの膿胸では、一刻も早く胸腔内に溜まった膿を取り除かなければなりません。そのため、胸腔穿刺といって、胸に直接針を刺して膿を吸引する処置を行います。しかし、多くの猫は針を刺されることを嫌がるため、しっかりとした保定(猫が暴れないように押さえること)や場合によっては鎮静剤を使ったり、全身麻酔を用いて処置することがあります。しかし、ただでさえ膿で呼吸困難を起こしている猫に無理な保定や麻酔処置を行うと、さらに呼吸状態を悪化させてしまうリスクがあるため、場合によっては命に関わる処置と言えます。
無事に胸腔穿刺によって呼吸困難が改善した場合、あるいはそこまで重症ではない場合には、胸腔洗浄といって、胸腔内に残った膿を洗い流す処置を行います。これはほとんどの場合、一度の処置ですっかり良くなることはなく、何度か繰り返す必要があります。また病院によっては、胸腔穿刺後、あるいはこの洗浄用に胸腔にチューブを設置することがあります。
さらに膿胸の猫では、抗生物質でしっかりと細菌感染の治療を行う必要があります。抗生物質は様々な種類があり、また細菌の種類によって効き目がまったく違ってきますので、必ず「培養検査」「感受性検査」という、どんな細菌がいて、どんな抗生物質が効果的なのかを調べる検査を行い、その結果に基づいて抗生物質を使用します。この抗生物質の使用期間は、場合によっては数ヶ月に及ぶこともあります。

■ まとめ
猫 触る猫の膿胸は、初期症状に気づきづらく、かといって進行してしまうと命の危険が伴う非常に危ない病態です。特に外に出たりする猫、他の猫と同居している猫は、ケンカによる膿胸のリスクが高まります。少しでも早く膿胸を発見できるように、普段から猫の体の傷のチェックや呼吸状態の確認を心がけていただければと思います。


<愛犬からの臭いが異常と感じたら•••尿毒症の原因と予防法>

こんにちは!!
今回は『犬の尿毒症』についてお伝えします。
なお、本記事は過去に私が寄稿したコンテンツを、許可を得て掲載しておりますので、本文及び画像の無断での引用、転載を禁止させていただきます。



■ 尿毒症とは
尿毒症とは、体内の代謝で生じた老廃物が、体の外に排泄されずに溜まってしまうことで生じる、様々な症状のことを言います。尿毒症は放っておくと命に関わる状態にも陥りますので、少しでも「怪しいな」と感じたら、すぐにでも動物病院を受診する必要があります。
Dog health

■尿毒症の原因
少し専門的な内容になってしまいますが、普段の食事などで体に取り込まれたたんぱく質は、様々な代謝経路を通って分解され体内に取り込まれていきます。そのときに生じる「非タンパク性窒素化合物」という物質は、通常、腎臓を通って尿と一緒に体外へ排出されます。しかし、この過程に何らかの異常が生じると、非タンパク性窒素化合物が体内に蓄積され、体の中で様々な悪影響を起こし、尿毒症の原因となります。
では非タンパク性窒素化合物が体に溜まってしまう原因を見てみましょう。

原因は大きく分けて次の3つが考えられます。
1. 非タンパク性窒素化合物が過剰に作られてしまう
2. 腎臓の機能低下によって、非タンパク性窒素化合物の排泄が上手くいかず、体内に溜まってしまう
3. 一度、尿に排出された非タンパク性窒素化合物が、再度体内に吸収されてしまう

1. 非タンパク性窒素化合物が過剰に作られてしまう
外傷や発熱、熱傷などによって、体に過剰な炎症反応が起こると、それに反応して様々なタンパク質が炎症反応に動員されます。(異化亢進 ”いかこうしん” と言います)。この炎症反応がなかなか治まらずに持続してしまうと、異化亢進状態が続き、タンパク質が過剰に作られてしまいます。タンパク質が過剰に作られると、その代謝で生じる非タンパク性窒素化合物も過剰に作られるため、尿毒症を発症するようになります。

2. 腎臓の機能低下によって、非タンパク性窒素化合物の排泄が上手くいかず、体内に溜まってしまう
腎臓は非タンパク性窒素化合物をはじめ、体内の老廃物をこしとり 、尿として体外に排泄させる機能を持っています。その腎臓の機能が低下すると、当然老廃物が体内に蓄積しますので、やがて尿毒症を発症するようになります。腎機能の低下には、急速に病状が進行してしまう「急性」のものと、徐々に病気が進行する「慢性」のものがあります。急性の腎機能低下は、病気の進行とともに症状もどんどん重くなってしまいますので、早急な治療が必要になります。一方、慢性の腎機能低下は、初期症状には気づきづらく、ある程度病気が進行した状態で発見されることがほとんどです。発見時には症状も進んでいることも多く、また腎機能も再生しないため、注意が必要です。

3. 一度、尿に排出された非タンパク性窒素化合物が、再び体内に吸収されてしまう
腎臓で作られた尿は、尿管→膀胱→尿道という経路を通って体外に排泄されます。しかし、この経路のいずれかで尿の漏れがあると、尿は再度体に吸収されてしまいます。当然、尿にはたくさんの非タンパク性窒素化合物が含まれていますので、それらとともに再吸収されてしまい、そして尿毒症を発症してしまいます。
尿の漏れとしてもっとも多いのは、交通事故などの外傷によって、尿路のいずれかが破れてしまうものです。またそれ以外にも尿路結石症で尿路が閉塞した場合にも、急性の腎機能低下はもちろん、尿が溜まりすぎて尿路を破裂させてしまうこともあります。
以上、尿毒症の原因をお伝えしましたが、ここで重要なのは、いずれの原因にしても病状としてはかなり深刻で、どれも命に関わる危険があるということです。ですので、どんな原因であれ、尿毒症が疑われるときは、決して様子を見るのではなく、すぐに動物病院を受診するようにしてください。

veterinary surgeon is giving the vaccine to the dog German Shepherd,fokus on injection

■ 尿毒症の予防法
そんな恐ろしい尿毒症ですが、残念ながら確実に予防できる方法はありません。しかし、尿路結石症や慢性の腎機能低下については、定期的な健康診断、特に尿検査で早期発見することは可能です。特に年を取ってくると腎臓の機能が低下する犬は増えてきますので、高齢の犬はこまめな定期健診を受けるようにしましょう。
また、体の異化亢進状態を引き起こす外傷や発熱などは、元気や食欲の低下も引き越しますので、これらの症状を見かけた場合は、様子を見るのではなく、なるべく早めに動物病院を受診するようにしましょう。

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<なんだか耳を触るのを嫌がる•••猫に耳血腫ができる原因と原因ごとに合わせた治療法>

こんにちは!!
今回は『猫の耳血腫』についてお伝えします。
なお、本記事は過去に私が寄稿したコンテンツを、許可を得て掲載しておりますので、本文及び画像の無断での引用、転載を禁止させていただきます。



■ 耳血腫とは
耳血腫とは、耳の毛細血管が破れて耳介(耳の穴より外側へ張り出ている軟骨部分)に血液がたまり、耳が「ぷっくり」腫れてしまう状態を指します。
耳介の軟骨が何らかの原因で骨折することで、出血を引き起こすと考えられています。

A cat having a check-up in his ear by a veterinarian

 

■ 耳血腫の原因
耳血腫の原因には様々ありますが、そのほとんどの原因は「外傷」です。耳がかゆい、あるいは違和感がある状態だと、猫はしきりに耳をかいたり頭を激しく振る動作をします。その際、耳介軟骨に大きな負担がかかると軟骨が壊れてしまい、さらに中の毛細血管が破れてしまいます。そしてその結果とし耳介の中で出血を起こします。出血は止まりづらく、どんどんと耳介の中にたまってしまい、耳血腫と呼ばれるぷっくりした耳の腫れが生じます。
耳のかゆみは主に感染(耳ヒゼンダニ、細菌、真菌など)やアレルギーによる外耳炎によって引き起こされます。いずれも耳血腫を起こす前の段階で、耳の赤味、かゆみ、においや汚れなど「外耳炎」の徴候がみられますので、これら耳の症状が認められたときは注意が必要です。
また、異物や腫瘍(がん、ポリープ)が耳血腫の原因になることもあります。これらは外から見てわかるようなものもあれば、耳の穴の奥の方に見られるものは非常に気付きづらく、発見が遅くなることもあります。
また、耳血腫の中には原因が不明なものもあり、何かしら免疫関係の病気が関係しているのでは、と考えられています。

■ 耳血腫の治療

Veterinarian at work checking cat's hearing at vet ambulant

耳血腫の治療は大きく分けて、「原因の治療」と「耳血腫自体の治療」があります。

●原因の治療
耳血腫の原因の多くは、耳のかゆみによって引き起こされる外傷です。そのため耳血腫の治療としては、その原因にアプローチして治療することが大切です。
外耳炎の原因となる感染に対しては、感染源に応じた抗生物質や抗真菌剤を投与し、かゆみや炎症の程度に応じてステロイドで症状を緩和させます。
外耳炎の中でも特に耳ヒゼンダニは耳疥癬(みみかいせん)とも呼ばれ、激しいかゆみを引き起こすだけでなく、他の猫にも簡単に伝染してしまいます。治療は駆虫薬を投与することで治療可能ですが、他の外耳炎と異なり、かゆみを抑えるためのステロイドの使用は禁忌ですので、注意が必要です。
また、アレルギーの場合は、ステロイドなどで症状を緩和させながら、アレルギーの原因となる物質を特定し、それを避けることで対応していくのですが、現在のところ、猫の場合は犬ほどアレルギー検査が充実しているわけではないので、特定できないことも多く、薬に頼らざるを得ないこともあります。

●耳血腫の治療
耳血腫はそのまま放置すると、耳介が変形したり大きく腫れあがってしまいますので、なるべく積極的な治療が必要です。
耳血腫の治療方法は様々あるのですが、基本的にはまず耳介にたまった液体を針で吸引し抜去します。そのあと、内科的にはステロイドやインターフェロンを注入することが多いのですが、一度の処置では耳血腫が治まらないことも多く、必要に応じて何度か繰り返すことがあります。また、外科手術によって治療する方法もあります。手術では、耳介に液体がたまらないように皮膚を切開して患部を開きます。さらに耳の変形を防いだり、液体がたまるスペースを塞ぐために様々な方法で縫い合わせたり、ドレーンと呼ばれる液体を排出させるための管を設置したりします。
それぞれの治療は、耳血腫の状態や猫の性格などを考慮して、臨機応変に選択していきます。

■ まとめ
耳血腫は多くの場合、外耳炎から生じます。なので「耳をかゆがる」「頭をふる動作が増えた」というような症状がみられたときには、なるべく早く動物病院を受診し、耳血腫になる前に治療を行うことが大切です。また、耳血腫になってしまったときは、あまり様子を見すぎると耳が変形してしまいますので、治療に時間はかかりますが、しっかりと完治するまで治療を継続するようにしましょう。

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6月の診療日時のお知らせ

6月の診療につきまして、各院、下記のとおりの対応とさせていただきます。
ご利用の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご了承のほどお願い申し上げます。

ヒルサイド院
下記の日時で、診察時間を変更させていただきます。
2日(金) 9:00~11:30 午後休診
8日(木) 9:00~12:00 15:00~17:00
15日(木)  9:00~12:00 15:00~17:00
17日(土)  9:00~12:00 15:00~17:00
24日(土)  休診

芋沢院
※現在、芋沢院は診療日を限定しております。
下記の日時で、診療を行わせていただきます。
3日(土)   7日(水)   9日(金)
10日(土) 14日(水)
17日(土) 21日(水) 23日(金)
24日(土) 28日(水)