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投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

会陰部のヘルニア2

こんにちは!芋沢院の榎原です☀️

 

川平院にてヘルニアの手術があり、

私も参加したかったのですが

診療後向かったころにはもう終了するところでした😅

院長の手術が素早くて予想よりも終了が早かったです。。

いいことですけどね!

あとは良くなることを祈りつつリハビリしていきましょう!

 

さて今回は前回の会陰ヘルニアの続きです。

前回は用語の解説についてだけでした。

今回は病気の見た目や状態について

絵を描いてきたので解説したいと思います!

 


会陰部の位置

お尻。犬を真後ろから見た絵です。

会陰部は、この辺りのことを言います。

赤く塗りつぶした部分です。

ここに発生するヘルニアが、会陰ヘルニアです。

ヘルニアが起こると

どんな見た目になるかというと。

こんな感じ。ボッコリとお尻の横が盛り上がるように変化します。

こいつは押すと引っ込んだりしますが、またボコんと出てきます。

 

なんでこういうふうになるのかというと

このわんちゃんの皮をとって、スケルトンにしてみます。

正常なわんちゃん。こんな感じ。

肛門の周りには、赤で描いている筋肉がみっちりと存在し、

肛門周囲を支えています。

会陰ヘルニアの犬は、こんな感じに変化します。↓

 

赤い筋肉が痩せてしまい、青で囲っているような隙間ができてしまっていますね。

すると、ここから本来は出てこないはずの腸や膀胱が

飛び出してきます。

こんな感じです。

この絵の右側の丸いものは膀胱と思ってください。

これが、さっきの皮膚のボッコリしていたものの中身です。

 

イメージできますかね?

今度は横からも見てみましょう。

普通のワンちゃんのおしりを横から見た絵

スケルトンにします。

膀胱と、大腸と、骨(骨盤周囲)の位置関係です。

骨を外すとこんな感じ

骨盤に包まれるように、尿道と腸が存在していますね。

本来であれば、この腸は筋肉によってガッチリ上下左右固定されていますが、

筋肉が痩せてしまうと、この骨盤に囲まれた空間が

スカスカになります。

正常では直腸と尿道が一本ずつ通っていますが。。。

会陰ヘルニアの犬ではこんな見た目になっている時、

骨盤ではどんな状態になっているのでしょう?

こんな感じ。

膀胱がどっか言っちゃってますね。

大腸も、なんかグイッとなってます。

骨をとってみましょう。

ええー。

って感じですよね。

実際こういうことが起きています。

腸は支えを失い、蛇行するように左右へ膨らみ、

膀胱はグリンとお尻側へ反転して骨盤の隙間を

通過してしまっています。

 

こうなると最悪のケースでは尿道がねじれ、

おしっこが出ない。。

ということになってしまうんですね。

 


どうでしたか?

今回はたくさん絵を描いてみました!

少しでも分かり易ければ幸いです♩

 

次回は病気の進行した場合の症状を詳しく解説し

治療について少し触れていこうと思います。

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