スタッフブログ

2019年02月25日  

投稿者:榎原陸

アレルギー治療の落とし穴

皆さん、こんばんは!

最近ブログ見ましたと院内でいってくださる方が

いらっしゃいます^^

とても嬉しいです!

副院長の榎原です。

 

最近急に暖かくなってきましたね!

僕は寒がりなので朝は震えてますが…

暖かくなってくるとどうしても増えるのが

花粉

です。

 

人の花粉症もそうですが、

ワンちゃんでも花粉や樹木、雑草に対する

アレルギー性皮膚炎はとても多いです。

暖かくなってきて、気持ちいいんだけど、

最近痒くなってきたみたい…

 

という来院が増えてきました!

 

そんなわけで今日は

アレルギー性皮膚炎の患者さんに

普段僕が話して驚かれることの多いトピックを

アレルギー治療の落とし穴

と題してお話してみたいと思います!


今回ご紹介するのはこんなケース。

 

”ステロイドやかゆみ止めを飲んでれば大丈夫なんだけど

減らすとどうしても痒がっちゃうのよねー。

痒そうなのが可哀想で、見てられないからおくすり頂戴?”

 

こういったご要望、僕はよく受けます。

 

でも、毎回

ちょっと待った!

をかけます。

ごめんなさい、確かに、かゆみは僕もよくわかります。

とてもつらいです。。(僕もそうですから)

でも、だからといってかゆみ止めに頼りすぎるのは良くない。

 

そこで僕がいつもリサーチするのは

そのかゆみ、本当にかゆみ止めに頼らなきゃだめなアレルギーなのでしょうか?

ということ。

 

そこで落とし穴①

「実はあげてたおやつ、アレルギーの原因です」パターン

毎回失礼かとは思いつつ、

 

・与えている食べ物は、このフードだけですか?

・トッピングはかけていませんか?

・ご褒美に与えるものはありますか?

・デンタルガムは使っていますか?

・ご家族で、おじいちゃんやおばあちゃんなど、一緒にお菓子を食べちゃいそうな人はいませんか?

 

など、質問の仕方をいろいろ変えて

本当に口にするものが限定できているか

を調べます。

すると結構食べ物としてカウントされていない食べ物、

あります笑

もしかしたらそれが痒みの原因かもしれないので

2周間程度やめてみることで手を打ちます。

それで痒みがひどくならず収まれば

かゆみ止めは少なくとも冬期は必要ないはずです。

 

さらに食べ物関連で

落とし穴②

「このおやつは大丈夫だと思ってたのに。。」パターン

アレルギー検査までして、療法食しか食べさせず、

たまのおやつやトッピングはアレルギーのない

レタスやきゅうり、りんごだけなの。。

なのに痒くって…

 

野菜はアレルギーを起こさない。

そう思っている方、注意です。

実は上に挙げた野菜と果物、

すべてブタクサアレルギーの子で交差反応

というものを起こす可能性があります。

 

交差反応とは、別の品目なのに

抗原の形が似てしまっているため、

アレルギー反応を示してしまうこと。

 

つまり、ブタクサアレルギーの人が

リンゴを食べると痒くなってしまうかも?

ということです。

 

「えー、私ブタクサアレルギーだけどリンゴ食べても鼻水出ないわよ?」

と言われそうですが、

出ない人は出ない、出る人は出る。それだけです。笑

 

ただ、経験的にリンゴを食べているワンちゃんで

アトピー性皮膚炎に苦しむ子をよく見かけるので

個人的にはアレルギーが疑わしい場合

リンゴは推奨していません。

ただ、りんごアレルギーだ!と確定診断した例はないので

この落とし穴を抜け出したからといって

痒みが完全にはなくならないのは十分ありえます。。

 

 

続いて落とし穴③

「ストーブ・エアコン炊きすぎ問題」

ちょっと東洋医学チックですが、

西洋医学の面からも実感される先生もいると思います。

冬なのに、とても皮膚が熱っぽい子。

さらに、乾燥していてフケが出てたり、皮膚が砂漠状態の子は

冬場にストーブやエアコンの風に当たるのが好きな子が多い印象があります。

そして、皮膚は赤くて腹部や脇、股をよく掻く。

 

これはなかなか改善してもらうのが難しいのですが

(人だって寒いですから…)

少しでも保湿力の高いシャンプー

(肉きゅう石鹸がおすすめです!)

を使ったり、

風が直接当たらない工夫をしたり、

体の熱を取る食材や漢方を使ってみてください。

冬期の肌トラブルと痒みを抑える助けになるかもしれません!

 


 

以上、3つの落とし穴というか

よくある痒みの持続してしまう3パターンについてご紹介してみました!

思い当たる方はいらしたでしょうか?

 

もちろん、上記の落とし穴にハマる以前に

アレルギー検査をしたり、

他の感染症を除外したり、

正しい療法食や手作り食を実践している

というのは

前提としてお話をしてましたので

まだ検査や相談にいらしたことがない人は

まず何からしたらいいかご相談くださいね^^

 

©森のいぬねこ病院