こんにちは!芋沢院の榎原です☀️
1週間が矢のように過ぎていきますね
歳を取った証拠でしょうか😭
今年の手術予定も残すところあと1件となりました。
明日のデンタルで最後ですね😌
年の瀬に大きな手術は入れたくないでしょうから、
緊急なことがなければ手術納めとなるでしょう。
今年は芋沢院復活後、
結構あれこれ手術しましたが、
その手術もちゃんと皆さん元気に帰すことができてほっとしています。
明日もしっかり安全に手術を行いたいと思います!
そんな手術に必要な麻酔ですが、
皆さん
「麻酔に関連した死亡事故」
の割合がどのくらいあるかご存知でしょうか?
手術の合併症やミスによる死亡ではなく
麻酔が直接的な原因と思われる死亡事故の割合です。
この麻酔関連死亡は研究にもよりますが
麻酔導入時期から覚醒後48時間以内に発生したものをとします。
….予想つきますか?
答え?
先日とあるインスタグラムの記事を見ていて
犬では0.17%
猫では0.24%
と言われています!
と書いておりました🤔
いやいや、高くない!?
と思いました笑
私たちが普段、避妊手術で説明する場合
麻酔関連死亡事故の割合は10万頭に1頭程度
と説明していますので、
計算すると0.001%です。
私は嘘つきになってしまいます!
なので、なんでこの数字なんだ?
私の知らない間に新しい研究が出たのか。。?;
と焦って調べました。
すると、2008年のBrodbeltさんたちの
研究報告が根拠であることがわかりました。
しかしこの論文ではこう書いてあります。
健康もしくは疾患を有する動物全ての
麻酔関連死亡率の総計が
犬で0.17%
猫で0.24%
です。
そりゃあ、かなりぐったりしてる子に
麻酔かけたら死亡する割合あがるよね😅
つまり、麻酔リスクを5段階に分けたとき
(健康な動物を1、重症で生死の瀬戸際の動物を5)
その1〜5全ての合計ですので
当然数値は上昇します。
逆に、それでも0.17〜0.24%なら意外と低いですね!
なので、この数字は本当に正しいものではございません。
本当の答え
あえて数値をずばり言ってしまうと
全くの健康な動物では0%
なんらかの軽度な異常が認められる動物では0.12%
それ以上では4.77%〜17.33%
です。
こちらの数値はフランスのBilleさんたちの2012年における調査を
参考にいたしました。
しかし流石に、0%というのは言い過ぎだと思うので、
人では麻酔薬に対するアレルギーや過剰反応が
10万に1つ起こりうる
と考えられているところから
当院のお話している、リスク0.001%
というのは妥当なのかなと思いました😅
しかし逆に、この報告では、全身状態の悪い動物で
麻酔をかけたら、17.33%も死亡事故があるということになり、
かなり高く感じますね😲
つまり、どういうこと?
全ての犬・猫で麻酔事故率が0.17%(0.24%)だ!
と思ってしまうと誤解を招きます。
実際には。もっと低い子もいれば
もっともーっとリスクの高い子もいます。
この情報を鵜呑みにして
「0.17%(1000頭に2頭くらい)も避妊手術、
歯のクリーニングで死んじゃうの?ならやりたくない><」
とか、
「そのくらい安全ならうちの子も麻酔して手術楽勝じゃん!」
とか
思ってしまうのはよくないなと思います。
まとめ
・全くの健康動物における麻酔関連事故率は0.001%程度!?
・動物の状態が悪ければ悪いほど事故率は上昇
・それぞれに合わせた麻酔リスクの想定が大事
・正しい情報で判断してください!