スタッフブログ

2023年10月28日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

抗生剤を適切に使おう

こんにちは!芋沢院の榎原です☀️

 

うちの子供(4歳)の風邪がなかなかよくなりません😂

多分、このウイルスが落ち着いたら次はこのウイルスにかかって…

みたいな感じで次から次へと別の風邪をひいているんでしょうね。。

 

なので免疫を高めるためにR-1をヨーグルトメーカーで作って

毎日食べることにしてみました🤔

これで免疫力上がってくれるかなぁ。

 

さて、そんな風邪ですが

皆さんは、風邪をひいたらどうやって治してますか?

一口に風邪と言ってもいろんな症状がありますよね。

・咳

・鼻水

・喉の痛み

・下痢

・食欲不振

・嘔吐

・発熱

あなたの風邪はどこから?笑

 

私は熱や咳がある時は、しっかり休むことを心がけていますが

仕事の都合上、完全ダウンするわけにもいかないので

3日以上症状が持続するようなら

次の休みに病院へかかるようにしています😅

立っていられないほど辛い症状ならすぐ病院行きですが。。。

 

でもいざ病院に言っても、インフルエンザとか、コロナとか

特効薬のあるような疾患でもなければ

解熱剤と咳止め、気管支拡張薬、整腸剤、去痰剤

くらいしか出してくれないんですよね🤔

 

「抗生物質とか出さないのー泣」

って思ったこと、ありませんか?

 

実は、人医療の世界では、現在

抗生物質の適正利用について

厚生労働省が

かなり厳しい基準を設けています。

使っていい疾患や条件、その期間なども

病院ごとのガイドラインが作成されるほどです。

なので、軽い症状であったり、

細菌感染症だ!

とはっきりわかるような状況でなければ

抗生物質は処方されません。

(感染症にはウイルス・カビ・細菌・寄生虫と様々原因となる微生物がいて、

多くの抗生物質が効くのは細菌感染症と一部の寄生虫です。

ウイルスのほとんどには抗ウイルス薬はなく、抗生物質は効果なし!

 

対して獣医領域ではどうでしょう?

結構、抗生物質を出された経験ってありませんか?

 

例えば皮膚炎、膀胱炎、下痢、咳などなど。。

いろいろな症状で抗生剤を処方されます。

私もかつてはよく処方していました。。

 

しかし、それも近年かなり見直されてきています!

例えば私は、軽度な皮膚の感染症(膿皮症)に対して、

最初から抗生剤を使用することは

ほぼありませんし、

感染を伴わないアトピー性皮膚炎に

抗生剤を処方することは全くありません

 

また、下痢で抗生剤を処方するケースということも激減しました。

(しかし抗生剤で下痢が良くなるケースはかなりあるので
使いたくなる気持ちはわかります。。)

なんでこんなに抗生物質が使われるんでしょう?

それは、、

症状がこのまま続くのが不安だから

に他ならないでしょう😅

 

「抗生物質もらっとけば、なんか良くなるかも!」

て思いません?

 

獣医側も、

「抗生物質出しておけば、少なくとも治る確率は上がるだろう。」

という安心感があります。

 

結果、無治療での経過観察期間を設けたり

副作用の少ない対症療法などをせずに

いきなり抗生物質の処方をするケースが増えました。

 

しかしそんな時代も終わりが近づいています!

耐性菌の出現や、腸内細菌叢(フローラ)の重要性

が取り上げられるようになったからです。

要は、抗生剤を使うメリットよりも

デメリットの方が目立ってきてしまったんですね😅

 

なので現在は

・抗生物質が必要な疾患(細菌感染症)であると診断がついたもの

・診断が難しい、あるいは診断を待つ余裕が無い状態の患者(子宮蓄膿症、腹膜炎など)

・経験的に抗生剤が効果的である疾患の可能性が高く、ガイドラインでも許容されうる場合(呼吸器疾患など)

に限り、可能な限り培養検査の結果に基づいて抗生剤を使用しております。

 

患者様にはもどかしいかもしれませんが

抗生物質の濫用は将来、耐性菌による難治性疾患の増加

腸内環境破壊による全身への影響

を招く恐れが高いと考えています><

 

何卒ご理解とご協力をお願いいたします。

 

ちなみに当院では、

抗生物質を使わない場合には

漢方薬生活指導サプリメント外用薬の適切な使用など

患者様に負担が少なく、かつ、しっかりと治癒するためのご提案

全力で取り組んでおります☺️

不安なのに、様子見ておけば治るよ。と突き放すことはしませんので

ご安心ください!

 

©森のいぬねこ病院