こんにちは。
森のいぬねこ病院副院長の榎原です!
今日は私が取り組んでいる、漢方治療について
少しご紹介したいと思います。
○東洋医学と西洋医学
まず漢方を今まで処方してなかった
あるいは、ほとんどの動物病気で扱っていないのはなぜ?
そもそも動物には漢方の治療なんてないんだろうな。
と感じる飼い主さんが多いと思います。
これにはわけがあって、現在の獣医療は、外科至上主義
高度医療至上主義であって、それは主に西洋医学の分野だからです。
漢方を処方するために必要な学問である東洋医学は
西洋医学とは全く異なる観点で治療を行います。
そのため、現代の獣医学を学んだ先生方の多くは漢方について全くの無知識で、
うまく使うことができないんです。
○動物に漢方って聞くの?
ほとんどの獣医が使ってないんだったら
効果がなくて流行ってないんじゃないか?
と思われるかもしれません。
確かに、西洋医学は統計をベースに発展してきたため、
使う薬のゴールドスタンダードがある程度あり、
効果は保証されるものが多いです。
しかし、西洋医学に比べ統計的なデータが少ないと言っても、
これまで世界的に多くの使用経験があります。
きちんと東洋医学を習熟した医師が使えば
効果が認められることは確かです。
また僕自身も使っていてしっかりと効果を実感できています。
○なぜ漢方薬を使うの?
一言で言えば、効果があるからなのですが
私は
・西洋医学では手を尽くしても治療見込みが少ない、あるいは高額医療になる ・西洋医学では病名が確定しない(東洋医学的に、未病) ・西洋医学の治療を行ったが、元気に回復するための手助けをしたい(養生)
といったときに漢方を処方します。
自然治癒力を高め、病気になる前の不調を治すことを目的とした
東洋医学的な考え方だからこそできることがあると感じています。
・今まで、どこの病院に行ってもなかなか良くならない ・現代医学では手が出せないと言われた (言い方は悪いですが、医者にさじを投げられた) ・なるべくお薬やステロイドに頼らずに直したい
と言った方は是非ご相談ください!
ちなみに漢方を導入したきっかけは、17歳と高齢になった我が家のワンコ。 段々と弱っていくのを、10錠近くのお薬を飲ませても現状維持すら難しい。 そういった状況から少しでも元気になってほしいという思いからでした。 いよいよ食欲が少なくなり、体重がどんどん減ってきた折に漢方と出会い、 使用したところ開始1周間で食欲が回復し、2ヶ月で体重は1kgも増えました。