スタッフブログ

2023年12月04日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

膵臓の病気② 膵外分泌不全

こんにちは!芋沢院の榎原です☀️

 

クリスマスプレゼントが全く決まらず

悩んでおります🤔

そろそろ用意しないと😭

 

さて今日は、膵外分泌不全という病気についてご紹介します。


膵外分泌不全とは

膵臓には消化と血糖値の調節

二つの機能に関わりがあるというふうに

これまで説明してきましたが

 

このうち、消化に関わる消化酵素を

分泌する機能

膵外分泌機能

血糖値の調節にかかわる

ホルモンを分泌する機能を、

膵内分泌機能

と言います。

 

膵外分泌不全とは、

膵臓の消化酵素を出す機能がなくなってしまった状態を指します。

 

どんな症状を出す?

膵外分泌不全では、消化酵素が腸になくなってしまうため、

食べ物の消化がうまくいきません。

そのため、未消化物の下痢便が出てしまうのが

最も特徴的な症状です。

しかし下痢がない場合もあります。

その場合でも、多食であるのに体重減少があれば疑われます。

 

下痢便の見た目としては

脂肪の分解に大きな役割を果たしている

リパーゼの分泌がなくなると、

脂肪が分解されないままうんちになるので

べちゃべちゃな下痢便になります。

古典的には、白っぽい便と言われています。

 

原因は?

自己免疫性に膵臓の細胞が破壊されたり、

前回のブログでご紹介した膵炎の結果として

膵臓の外分泌細胞が破壊されることにより

起こると考えられています。

自己免疫性の方は遺伝的要因が考えられており

ジャーマンシェパード、ラフコリー、チャウチャウなどで

発生が認められます。

 

診断方法は?

頑固な下痢を主な症状としていて、

便の性状が未消化脂肪便であれば強く疑われますが

よく食べるのに痩せていく場合などにも

疑いがもたれます。

 

血液検査では、栄養吸収不良による

低タンパク血症や、低コレステロール血症

低血糖などが認められることがあります。

 

確定診断としては、外注血液検査による

血中トリプシン様免疫活性(TLI)という

数値を測るのが最も効果的です。

 

治療は?

不足している消化酵素を投与することにより

予後は良好です。

副作用や内服を一生涯継続投与しなければならないなど、病気による

生活の質の低下はございますが、寿命を全うすることは可能です。

膵炎などの併発疾患があれば、低脂肪食に変更をするなど

併発疾患に対する治療・食事療法もしっかりと行います。

 

まとめ

・膵臓の消化酵素が出なくなることによる病気

・たくさん食べるのに、痩せて行ったり、下痢を繰り返したりする

血液検査で簡単に診断がつきます

・治療は内服の継続で良好な反応が認められます。

 


いかがでしたでしょう。

膵外分泌不全、シンプルな病気ですが

お薬が手放せなくなるのは嫌ですよね🤔

膵炎がきっかけになり発症することもあるので

 

この病気を予防するためには、

膵炎の予防をしっかりをすることが大事と言えそうです!

©森のいぬねこ病院