スタッフブログ

2023年09月10日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

肝臓病ってなんなの?3

どうも!芋沢院の榎原です☀️

前回から間が空いてしまいましたが

肝臓病お話の続きです!

インスタでも私の下手絵(🤣)を上手く使って

可愛いデザインでこの記事を紹介してくれてますので

そちらもぜひご覧になってみてくださいね!

 

では始めます☺️


肝臓の状態変化その2

胆のうの病気になった時

今回は胆のうが関係する病気のことについてお話しようと思います。

まず、胆のうというものは前々回のブログで軽く触れました。

肝臓で作られた胆汁を貯めておく袋状のものです。

胆汁が通る管のことを胆管と言います。

そしてこの胆のう胆管のことを合わせて、胆道系と表現します。

 

今回はその胆道系に起こるトラブルについて解説します。

まずはイメージを掴みましょう。

胆管は肝臓タウンにおける水路です。

下水道だと思っていただければと思います。

そして胆のうは、下水を一時的に貯めておく水槽です。

浄化水槽と考えていただけるといいかも知れません。

下水道は最終的に川へと放出されますが、に当たるのが、です。

 

健康な状態は、下水へ流れ込む生活排水や汚水は

順調に浄化水槽へ流され、適切に川へと放水されます。

(胆道系でいえば、作られた胆汁がさらさらとして腸へ排泄されている状態)

これが、汚水が多くなり、どろどろの状態となってしまうと、水槽の中に

となって蓄積していきます。

この状態が胆泥です!

胆泥自体は、流れの悪い汚水のようなものなので、

少量であれば問題なく排泄されることが可能です。

 

しかし、これが過剰となったり、どんどん蓄積していくと。。。

下水が詰まります😱

下水が詰まればなんとかして通過させようとパイプユニッシュしたり

業者を呼んだりしますね。

この状態が前回のブログで言っていた

誘導酵素が上昇している状態です!

誘導酵素の上昇=胆道系(下水路)の負荷があってHELPを出している状態

 

さらにさらに。

つまりがひどくなると、下水管の破裂や逆流が発生し、

まわりに被害を出し始めます。

こうなると大変です。街の家にも被害が出てしまいます。

家=肝臓細胞ですので

肝臓障害が起きてしまう。ということですね。

 

実際には細菌の感染が絡んでいたり、胆石ができて突発的につまったり、

浄化水槽の故障(胆のうの病的変化)でおかしくなってしまったり。。。

いろいろとあるのですが

胆道系の病気は放置すると肝臓障害を引き起こすということが

分かっていただけたら幸いです!

 

肝臓病の治療

次に治療のお話をしたいと思います。

ここまで肝臓タウンの変化を例にお話をしてきましたが

治療のお話はこの街のトラブルをどう直すか?

というイメージになります。

まずは実際的なポイントを押さえておきます。

肝臓を直すには大きく二つのアプローチがあります。

①負担となっている原因を取り除くか

②肝臓の再生力をあげるか

です。

今、病院の先生が立てた治療方針はどっちなのか?

を理解すると、それが上手くいってない場合

次の一手を考える手がかりになります。

 

詳しくみていきましょう。

①負担を取り除く

1.食事

例えば非常に高炭水化物で高カロリーな食事を取り続けると

肝臓では過剰な栄養分を処理するために細胞が過剰労働を強いられます。

また、食事中に添加物や毒素となるものが多く含まれれば、解毒をする機能を持つ肝臓は

一生懸命毒物を処理することになります。

こう言った肝臓に悪影響を与える食生活を見直すことが

肝臓の数値を下げることにつながります。

 

2.感染症治療

当然ながら細菌やウイルスの感染=街に外敵が侵入して暴れている状態ですので

抗生物質や抗ウイルス薬などで退治すれば改善に向かいます。

 

3.毒物の除去

食事でも述べましたが、稀に肝臓に障害を引き起こす毒物を摂取してしまっているケースがあります。

実は、最もわかりやすいのが種々の治療薬です。

無駄な薬や負担のある薬をやめてみることも重要と言うことです。

 

4.胆汁を流す

このブログでも述べましたが、胆汁は詰まりがひどくなる

胆道系を破綻させ、肝臓障害を引き起こします。

そのため、胆汁をさらさらにしたり

胆のうから排泄する胆汁の量を増やしたり

腸への出口を広げたり

様々なアプローチで胆道系の負担を減らすことができます。

 

5.腫瘍

最も厄介で一筋縄でいかない存在です。

これはもう取り除くことが1番の治療ですが、

外科的な摘出ができれば良いのですが

困難な場合、

腫瘍を薬物により小さくする

腫瘍に侵されていない部分の肝臓を保護・活性化する

といった方法がとられます。

 

②再生力を上げる

次に肝臓の再生力を上げると言う方針です。

肝臓タウンでは警察や消防・大工さんと表現しましたが、

1.免疫力の調節・過剰な炎症の抑制

体の免疫システムは、

肝臓タウンでいう警察と清掃業者です。

この観点は少し、難しいのですが、

悪い細胞や細菌などを処理するために集まった免疫細胞

そのはたらきの過程で出される物質が

肝臓を余計に障害することがあります。

肝臓タウンでいえば、警察や業者が出動しすぎて

道が渋滞し混乱が起きている状態ですね。

過剰な免疫システムを適切な状態へと戻す

つまり、渋滞を緩和し本来の交通を取り戻すこと

肝臓の再生へと繋がります。

 

2.栄養素の充足

交通が良くなっても運ばれてくる物資がなければ意味がありません。

しっかりとした食事をとって再生に必要な栄養素をとることは

非常に重要なポイントとなります。

 

<実は大きな誤解>

巷で売られている肝臓用療法食ですが、

実はこの栄養素をあえて制限しています!

なので多くの肝臓病では適切な治療とはならないので

肝臓病と言われたからといって、

安易に利用しないようにしましょう。

これについてはまた次回解説したいと思います!

 

3.血流の供給

最後に栄養素を運ぶのは血液中の赤血球や輸送タンパク質です!

肝臓タウンでいえば配送業者や通行人ですね。

貧血や心臓病があるとこれが滞ってしまうため、

肝臓の治療に一生懸命になるだけでなく、他の疾患のせいで

肝臓に十分な血液が行っていないのではないか?

を考えることも重要なポイントです。

まとめ


いかがでしたか?

肝臓病の原因すべてや細かいメカニズムを全て説明するのはとても難しいのですが

肝臓病と言われた時に

肝臓にどんなことが起こってしまっているのか、

そして治すためには何が必要なのか

 

少しでも分かっていただけたら幸いです^^

他にもこんな病気を解説してほしいなどありましたら

ぜひインスタなどでコメントくださいね!

 

榎原でした〜

©森のいぬねこ病院