どうも!森のいぬねこ病院 芋沢院の榎原です☀️
突然ですが
私の得意な診療科目は皮膚科です。
私もアトピー性皮膚炎に悩まされている
ということもあり、
いろいろな治療法、考え方、病気の知識を持って
診療にあたっています💪
まだまだ勉強中のこともあり、
専門医への道のりは長いですが😭
日々、診療現場で皮膚病と向き合っていると
いろいろなコツが見えてきます。
今日はそんな私が、日頃診る時に気をつけているポイント
をお伝えしてみようと思います。
この記事を読んで
あれ?この子の皮膚病って、治らないと思ってたけど
なんとかしてくれるの?
と思った方、
今までの治療に疑問を感じた方、
ぜひ一度ご相談ください!
まず皮膚病を見るポイントその1
皮膚病は見た目が大事。
皮膚の病気なので当然ですが笑
内臓の病気とは違い
メインの病変は目で見えます。
そこから得られる情報というのはとても大きいです。
例えば、どこにどんな病変があるのか
口まわりだけ?耳と手足だけ?全身?痒みはある?
などなど
様々な情報が見た目から判断でき、
大体の病気が絞り込めます。
そしてもう次のポイントです。
ポイント2
皮膚病はお話が大事。
動物さんとお話するわけではないです笑
できたら最高なんですが🤣
飼い主様とじっくりお話しします。
質問の例として
「この状態はいつからですか?」
何年前、何ヶ月前、何日前・・・
「きっかけはありましたか?」
シャンプーしてから、散歩中から
ご飯を変えてから、おやつをあげたあと・・・
「ご飯は何を食べていますか?」
フードのメーカーは、おやつは、サプリメントは、拾い食いや盗み食いは
人の食べているものをあげることがあるか・・・
とにかく口にするもの全てを聞き出すのが大切です
「シャンプーや予防、治療歴はありますか」
また、ノミダニの予防をしているか、
現在ステロイドなど治療薬を使っているか・・・
などなど
こんなお話しを小一時間聞くこともあります!
大変な作業ですが、特に最初の診察時にしっかりとお話を聞くことは
非常に重要です。
そしてポイント3
皮膚病は経験が大事。
最後に身も蓋もないことを言い出しますが笑
やっぱり見たことのない病気の診断は非常に難しいです。
滅多にない病気、複雑に絡み合った病気、
治療により一見すると良くなっている状態の皮膚
など
一回の治療でばしっ
と良くなれば最高ですが
そうではないことも、もちろんあります。
そんな時には
今回の治療でうまくいかなかったということは、
この病気は除外して考えていいかな?
薬の用量が足りなかった?投薬がうまくできなかったから?
などと仮説を立てて、さらに病気を推測して修正するという
その子の治療の中で積み重ねる経験が必要になります。
そしてもちろん、
同じような疾患を見たことがあるか
また、文献や学会でどれだけいろんな病気を勉強しているか
そんな経験から、本当の問題は何なのかを見極めます。
ここまで見るポイントをお話しましたが
検査の話は一切しませんでしたね。
検査はもちろん大事です。
・疑わしい病気の確定や除外
・治療方針の決定の根拠となる情報
・なかなか治らない皮膚病の情報収集
様々な目的で検査を実施します。
最近では、膿皮症の治療に抗生物質を無闇に使いすぎたせいで
耐性菌が増えておりますので、
かつては単純だった細菌性の皮膚炎の治療のために
細菌培養検査、薬剤感受性検査
なんてものをやることも必要になってきました。
しかし
どの検査をやるべきか、いつやるべきか
なんのためにやるべきかを決めるのも
全て上記のポイントを押さえた上で。です。
この子はこの部位にこんな病変があるから、
この時期から悪化したから、
これを食べてからおかしくなったから
痒みがあるから、ないから...
理由は様々ですが
→「だからこの病気が最も疑わしい。次にこれか、これか…」
と言えるかどうかが大事です。
私は普段、
「〜なのでこの検査をやらせてください。」
「〜だからこの治療をします。」
「反応があればこの病気の可能性が高くなります。」
こういうふうに検査・治療の目的をお伝えしています。
自分の治療・検査方針の先にこうなるはずだ。
こういうふうになったらこの病気だ。
などの推測があるからです。
「よくわからないけどこの薬を出せば良くなるから使う」
「この薬を飲んでいるうちはいいんだけど飲まないとダメ」
「診断はついていない。多分アトピーと言われたけど検査はしていない。
改善していないけど治療はかわらない」
こんな事で動物さんを苦しめないように、しっかりとした目と知識で
診療にあたるよう心がけています!
今はまだ難しく、残念ながら治せない方もいますが、
全ての皮膚病を治します!と言える日が来るように
今後も努力を続けたいと思います。
榎原でした👍