こんにちは!芋沢院の榎原です☀️
ようやく梅雨明けなのか、雨が落ち着いて
良いお天気ですね☀️
おかげで暑さに拍車がかかりました😭
受診される患者様も、朝の食欲がおちた。
と、夏バテ気味のようなお話を良くされています。
実は中医学的に夏のこの時期というのは、
心や消化器がダメージを受け
不眠や食欲不振、そして熱が籠ることによる皮膚病
が起こりやすい時期です💡
暑さを避けると同時に、熱を覚ます食材のトッピングや
熱を覚まし不眠を解消する漢方薬などで
うまく暑い季節を乗り切りたいですね😥
さて今日の本題ですが
ちょっと長すぎなタイトル笑
「ステロイドに頼らない皮膚病治療!」
「猫の舐め壊し」編です😁
猫の皮膚病について
猫の皮膚病は、実はわんちゃんほど多くはないのですが
治療に苦慮することが少なくないです。
なぜならば、ひと昔前までわんちゃんの方が
圧倒的に受診数が多く
猫は散歩もしない子が多いので
犬よりも清潔で皮膚病にかかりにくい
ということがまずあげられます。
そのため動物病院でも猫の皮膚疾患を見る機会が少なく
診断技術が低い
同時に治療の選択肢が少ない😱
ということが難しいポイントです。。
結果、猫の皮膚病→とりあえずステロイド。。。
ということが多い様に感じています。
事実、ステロイドで長く治療しているが、なかなかよくならない。
ということで受診する・専門医へと紹介されるケースは、非常に多いです。
猫の舐め行動について
猫の舐め行動は、痒みがある場合や、
なんらかの原因でグルーミングが過剰に行われている場合で
脱毛や皮膚の炎症を引き起こし、病的となります。
先に述べた様に、多くの猫ちゃんは家屋内で飼われており
予防薬の効果も向上した現代では
あまり皮膚の感染症により痒みが生じているケースは
多くありません。
*もちろん、外に出ている猫さんや
お家に来て間もない子猫・野良では
皮膚糸状菌症などのカビ感染やノミ・ダニ感染を
今でも見かけます。
そのため猫の過剰な舐め行動の原因の多くは
①アレルギー性疾患
②心因性(精神的要因によるもの、局所の違和感)
③その他の要因(腫瘍・先天性疾患など)
になります。
獣医師は、詳細な問診をヒントにして
どれが最も疑わしいかを見極める
「探偵👓」となって診断をつけます🤔
症例紹介
ハゲるまでグルーミングした猫ちゃん
ブログのインサートにも載せましたが
こちらの猫ちゃんは
もともとストレスに弱く
過去には新しい猫ちゃんを迎えいれたタイミングで
体調不良を起こした経験もありました。
そんな子が、2〜3日ほど飼い主さまが留守にされた際に
ここまで舐め壊して、はげてしまったというわけです。
診断は②心因性
これは非常にわかりやすいですね笑
外には全く行かず、膀胱炎や腫瘍など
そのほか体に違和感を覚える疾患も認められず
当然食事など変更はなくアレルギーの疑いも低いです。
状況証拠的に1番疑わしいのは
ストレス・不安によるグルーミング行動の増加
でしょう。
*赤いプツプツは丘疹・一部は膿疱。毛包の炎症や細菌の増殖などで見られます。
が、メインではなく舐めたことによる二次的な病変でしょう。
治療法は…
さて、診断はつきました。
治療はどうしましょう?グルーミング・ストレスとはいえ、
舐めてるんだから痒いんだろ?
痒み止め=ステロイドだ!
丘疹・膿疱があるんなら感染してるだろ?
感染=抗生物質だ!
こんなやり方、アリかもしれませんが
私はできるだけやりたくないんです。。
*状況により使うことはあります。それも診断(培養)をしっかりつけてから。
なので
体の熱感をとり、精神的に安定をもたらす漢方薬
を処方させてもらい
飼い主様にはなるべく一緒にいてもらうようお願いしました。
それでしばらく後↓
ここまでよくなりました。もう一息
ずいぶん改善しました!
飼い主様曰く、まだ舐めているけどかなり減ったし、プツプツしたものはなくなった。
とのことでした。
この子から学ぶ大事なこと
治療は必要最小限に。。
ステロイドはアレルギー性疾患をはじめとして
多くの疾患でQOLを大幅に改善する
素晴らしいお薬です。
しかし、それに頼りすぎて乱暴な治療をしてしまわない様に
気をつけなければならないなと思っています。
この子の様に、精神的な要因であれば
もしかしたらストレスさえなくなれば
漢方すら飲まずともよくなるかもしれません。
しっかり見極めて、最適最善の治療法を
見極められる様にしたいなと思います