こんにちは!森のいぬねこ病院 芋沢院の榎原です☀️
イライラしやすい
最近寂しいのか、ぼけたのか夜泣きをする。
そんなことでお困りのわんちゃん、猫ちゃんいませんか?
森のいぬねこ病院ではイスクラ製薬さんから出ている
ペット用漢方製剤 「Quanpow」
を使っています。
その中のひとつで、
「静心」
というものがペットのイライラ・おこりんぼ性格への
対処や
夜泣き・痴呆対策にとても優れた効果を発揮します!
私自身、この漢方に助けられた経験がとても多いので
今日はこのゴリ押しおすすめ漢方について
記事にしたいと思います🤣
静心の服用がオススメな症状
静心は次の症状が現れた時に投薬するのがおすすめです
イライラ・煩躁(不安で悶え乱れる)・興奮・怒りっぽい
夜泣き・睡眠の質低下・精神不安など
これらは、中医学的に
心血不足
や
心神不安(神志不安)
といった状態(証)であり、
静心に配合されている生薬は
人の重鎮安神剤・滋養安神剤といった
漢方にも配合されるものも入っており
精神の乱れに優れた作用を発揮します。
心血不足・心神不安とは?
イライラや不安といった症状は
肝臓と心臓、そして腎が深く関係します。
心
まず心は火に属し、神(精神活動・元気さの源)を蔵します。
*蔵す。というのは蓄えておく、たくさん持っている、といった意味合いです。
心は血脈をつかさどる(主どる)役割を持ち、
全身へと血を運びます。
*主る。というのは中心となって管理する。という意味です。
血が従業員、心は社長みたいな関係です。
従業員が不足してしまうことが心血不足
従業員がいなくて事業がうまくいかない状態
(神を保てなくなる状態)
→心神不安
というわけです。
肝
肝臓はどのような関わりがあるでしょうか。
肝臓は怒りや不安などにより機能の失調を起こしやすい臓器です
肝臓は気を全身へめぐらせる作用があるのですが
イライラや不安でカッカしてしまうと
肝は気を必要以上に上へ、上へと持ち上げます
(頭に血が上るっていう状態に近い気がします。)
すると熱を冷やすための血が消耗されたり、
肝で生じた熱が肝臓の上にある心を
痛めつけてしまい、心血を虚損します。
また、肝臓は血を蔵するため、肝での血が不足すると
余計に肝臓はおかしくなってしまいます。(肝血不足)
腎
腎は体を冷やす作用のある「水」をつかさどり(主どり)ます。
肝臓や心で生じてしまった「火」を消すことができるため
水を主どる腎が健康であることが大事というわけです。
静心の効果
静心はそんな病理状態を正常へと導く作用がある
生薬が配合されています。
すなわち、
イライラや不安といった症状を緩和する(寧心安神・安神定驚)
また今ある熱を冷まし(清心火・瀉肝火)
血を補充することで新たな火が生まれるのを止め(養血清心・養肝補血)
総じて機能を安定へと導きます。
以上のような理論で不安を抑え、精神を安定に導く
このお薬ですが
正直なるほど!ってなる方は少ないかも🤣
なのでここからは
具体的な患者さんで使用した例をご紹介します!
①夜鳴きにより家族も寝れないほど困ったわんちゃん
高齢により夜泣きが始まったわんちゃんに使用を開始。
使用後からすぐに夜泣きが止み、使用を止めるとまた始まる
漢方なのでずっと飲んでいても安心なのでずっと使っている
②人が部屋に来ると大声で泣き叫ぶわんちゃん
いつも誰かが来るたびに興奮して吠えてしまうわんちゃん
使用後は来る人が誰か確認してから吠えるように落ち着きを見せる
やめるとまた一日中吠える状態のため継続。
③ストレスで体を掻き壊す猫ちゃん
猫ちゃんはストレスによりグルーミングが過剰になる
皮膚炎があります。通常ステロイドや環境改善、フェロモン製剤などで
ストレスケアを行いますが
静心を使ってからは明らかにステロイド単独よりも効果が感じられると飼い主様は満足!
④パニック障害のわんちゃん
地震のときのパニックから、分離不安・不眠・尻尾追い行動
に悩まされていたわんちゃん。
これまでは精神安定剤や鎮静剤を使っていましたが
静心に変更後は時々頓服の鎮巠薬を使うほどで
不眠や尻尾追いがなくなり、落ち着いた様子になった。
これらはほんの一例です。
個人的には夜泣き・分離不安傾向のわんちゃんには
よく効いている印象があるので、
是非使用してみて欲しいと思っています!