スタッフブログ

2024年05月31日  

投稿者:森のいぬねこ病院 スタッフ

東洋医学の診療☯️

こんにちは!芋沢院の榎原です☀️

 

早いもので、もう5月も終わりですね😌

狂犬病やフィラリアの予防シーズンもようやく終わりですね。

病院としては、予防シーズン=繁忙期と言われ、

当院でも4月から5月頭くらいまで

バタバタしていましたよ💦

 

そしてこれからは季節の移り変わりや

夏にむけて暑さや湿気で体調不良が増えてくるので

 

狂犬病と予防薬が終わったからと油断せず

健康増進のためにできるケアをしていきましょうね♪

 

さて今回は、芋沢院で行っている東洋医学での

診療について

どんな事を行っているか、どんなちがいがあるのか、

ご紹介していきたいと思います😁

 


西洋医学と東洋医学の診療手法の違い

東洋医学の診療手法は

西洋医学のやり方とは大きく異なります。

 

西洋医学の手法

まず、一般的な病院で行う、診療手法について

解説していきます。

現代の病院のほとんどは、西洋医学をベースに治療を行なっていますので、

診察を受けたらまず

看護師さん・お医者さんと受診した理由や症状についてお話しをします。

そしてお話を聞いた内容からお医者さんは、

「〜病かもしれないから検査してみましょう。」

と言って、血液検査なりレントゲン検査なり

いわゆる「臨床検査」を行います。

 

そしてお医者さんはその結果を見て

 

・数値が〇〇以上だから異常

・画像検査でこの所見があるから異常

・〜病の診断基準5つのうち3つに当てはまる

 

など客観的な証拠に基づき、

エビデンス(根拠となる論文や研究データ)と照らし合わせて

判断・検討していき、最終的な診断を下します。

そして導き出された診断に対して、

エビデンスに基づいた推奨される薬や治療を行います。

 

これが西洋医学の診療の流れです。

 

この手法のメリットは、

診断があってさえいれば大部分の人が治るような治療方法が

客観的根拠に基づいて決定できるという事です。

また、診断に関しても検査が正しく行われ、

情報が多くなれば、診断精度が上がっていきますし、

診断医による誤差も少なくなります。

つまりは、医療レベルの標準化がしやすい

という点が挙げられます。

 

反面、デメリットとしては

単純な状態では治療の決定がしやすく反応が良いが、

複雑化したものや型にはまらないもの、

稀なケースには対応しづらい

(エビデンスが少ないものに対しては応用が求められる)

検査結果や数値ばかりを追うと

患者そのものの本質や細かなサインを見落とすことがある

という点です。
*「痛い」と言っているのに、検査で異常がなければ「正常」ですか?

 

東洋医学の手法

では、東洋医学の手法とはどんなものでしょう。

東洋医学の診療では

四診というものを用います。

伝統的な手法では、現代の臨床検査を用いることはありません。

 

四診

四診とは、「問診・聞診・望診・切診」の4つを指します。

 

①問診

患者から、

具体的な症状(発生時期、発生の状況、症状の重さ、頻度など)、

生活環境(寒暖、乾燥、運動、シャンプーなど)、ストレスの有無

排便・排尿、性格、睡眠、食生活の内容・量・回数など

様々な事を聞き出します。

 

②聞診

患者から発される音(声、心臓、呼吸音など)を聴取すること

により情報を得ます

 

③望診

患者の見た目の変化を捉えます。

皮膚病では、皮疹の種類、色合い、範囲を良く観察します。

特に舌は重要で、舌診と言います。

舌の色合い、潤い、付着物、唾液の粘稠性(ねばり気)などを観察します。

 

④切診

体を直接触り、熱感冷感・痛み、硬さ・しこり

毛並み、乾燥、べたつき、肉付き

また脈の強さや張り、大きさ、深さ

などを確認していきます(脈診)。

 

東洋医学では、基本的にはこの四診でだけで

診断(弁証)をすることができます

 

西洋医学と同じ様に、診断が決まれば、治療法も決定できます。

しかし西洋医学と異なる点は、

科学的エビデンスに基づくのではなく、古典からの引用、

先人たちの経験から決定された処方を用いるという事です。

 

この手法のメリットは、

数値によらず患者さんの状態をしっかり診ることで

体質など、データや現代医学で病名のついていない

状態、まだ病気ではない「未病」と言われる微妙な状態まで

判定できる事です。

 

反対に、デメリットとしては

・じっくりと話を聞いたり、触診する必要があるため、時間がかかる

・主観や経験によるところが大きいため、診断治療のレベルは医師のレベルに大きく左右される

・この手法のみでは、西洋医学的診断をつけることができない

*例えば、血糖値を測らなければ糖尿病という診断はつきません

という点が挙げられます。

 

まとめ

 

統合医療という観点

東洋医学と西洋医学の診療手法

をそれぞれ対比してみましたが、

 

比較したのは優劣を問うためではありません🙅‍♂️

 

こういうやり方もあるんだ!

ということを知って欲しいからです。

 

そして、私は両者を組み合わせた

「統合医療」

の視点が重要だと思っています。

 

どちらも疎かにせず、組み合わせることで

足りない部分を補うことで

より患者さんにとって適切で丁寧な

診療・治療に繋がると思います☺️

 

 

 

 

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